中学受験カウンセラー 野田英夫です。
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【前編】を読んでない方はこちらを先にお読みください。
■大学付属校を志望している家庭へ知って欲しいこと
大学付属校を志望している皆さんに、
これだけは知って欲しいことがあります。
「大学付属校を志望しているのなら大手塾に行ってはいけません。」
先に挙げたSAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研、
それに加えて、難関進学校を中心に合格者を出している塾など
これらの塾では、大学付属校のための授業は提供されていません。
「難関進学校のため」のものとなっている。
まずこれを押さえてください。
「難関進学校の入試問題」と「大学付属校の入試問題」は性質が違う。
皆さん、これ知らなかったでしょ?
でもね、入試問題の性質が違うなんて当然なんですよ。
「難関進学校が合格させたい受験生」と
「大学付属校が合格させたい受験生」は、
まったく違うのですから。
難関進学校が合格させたい受験生は、
6年後に難関大学に合格してくれる受験生。
「大学付属校が合格させたい受験生」は、
学校の教育理念に賛同していて、将来へのビジョンを持っている受験生。
このように入学して欲しい生徒が違うのだから、
入試問題が異なるのは当然のこと。
ちなみに、
入試問題の難易度を比べても、
難関進学校は難しい難問が多い傾向があります。
一方、大学付属校のそれは難問もありますが基本問題を中心に作成されている。
これも合格して欲しい、入学して欲しい生徒が異なるからなんです。
よく入試問題は学校からのメッセージだ、と言われますが、
「こんな生徒に来てほしい」という意味も込められているんだ。
上記、進学塾のテキスト、カリキュラム、
そして授業もすべてが「難関進学校のため」のものとなっている。
そのすべてがムダだとは言わないが、あまりに非効率であり、
大きな遠まわりを子どもに強いることになる。
そして、
これらの塾が難関進学校のための塾であるという理由はほかにもある。
これらの塾は「競争をうまく利用した運営がしたい」という思惑である。
生徒を優先するのではなく、塾の運営を優先させている。
多くの塾では、成績によりクラス順位が構成されている。
だから、より高いクラスを望むようになる。
保護者や生徒たちは、
志望校の偏差値が高ければ高いほど、
上位クラスに在籍していないと合格できないと考えてしまう。
担当者から、
「お子さんの志望校ですとこのクラスにいないと合格できませんよ」
と言われれば、
そのクラスに上がるように躍起になるのは当然の心理である。
そして、ひとつでも上位のクラスに上がるため、
多くの難問にも取り組むようになっていく。
多くの量もこなして、夜遅くまで宿題と格闘するようになっていく。
でも、先に述べたとおり、
難関進学校は難問が多いが、
大学付属校は基本問題が中心でしたね。
だから難問ばかり取り組むようになっても、
大学付属校の入試問題とはかけ離れていってしまう。
これが信用できない人は、
難関進学校と呼ばれている学校の過去問と、
大学付属校の過去問を見比べてみるといい。
難易度の差がはっきりわかるはず。
ここにはある誤解がある。
「偏差値の高い学校を目指せば、
それよりも低い偏差値の学校は合格できる」というもの。
これは大きな誤解である。
偏差値は、問題難易度を示すものではない。
自分の偏差値より低い偏差値の学校は合格できるわけではないのだ。
(例)
自己偏差値「63」
成蹊中学校「63」✖ 明治大学付属中野中学校「66」○
これは極端かもしれませんが、
大学付属校の慶應中等部を志望しているのに、
偏差値が高いという理由から、
難関進学校の桜䕃中学校のクラスで難問ばかり解いている、
こんな感じ。
ちなみに、慶應中等部は、偏差値は高いが、
入試問題は基本問題ばかりで非常に易しいものばかり。
(例)
桜䕃「77」(難問ばかり) 慶應中等部「77」(基本ばかり)
このように多くの塾では、
受験生を競争のなかに押し込むことでうまく運営している側面があります。
だから、大学付属校を志望させるよりも、
難関進学校を志望させた方が、運営がうまくいくのです。
実際に、
入塾当初は大学付属校を志望していたのに、
難関進学校の方が将来の可能性が広がるとか言って志望校を変更させる。
こんなことが日常茶飯事に起きている。
その証拠をお見せします。
上記進学塾における「進学校志望者の割合」
進学校を志望している受験生の割合
なんと!
約8割!!!
進学校を志望している受験生が8割もいる!
驚きませんか?
そして、大学付属校を志望している受験生は、
たった2割しかいない。
塾が運営しやすいように志望校の変更をさせているとしか思えない。
大学付属校を志望していたのに、
難関進学校に志望を変更させているのだと思う。
冒頭申し上げたとおり、
いまは大学付属校人気である。
それにもかかわらず大学付属校志望の生徒が、2割なわけがない。
もし読者の皆さんが、
大学付属校を志望しているなら、
上記の理由から、これらの進学塾に通ってはいけません。
最後に、
皆さんのほとんどがすでに中学受験を始めていることと想像します。
早いご家庭だと小学1年生から受験勉強を
開始された方もいらっしゃることでしょう。
そうでなくても小学3~4年生くらいから受験を始めていることと思います。
小学3年生から始めても4年間を中学受験に費やすことになります。
小学生の4年間を中学受験に向かわせることが、
いいのか悪いのかは各ご家庭の取り組み次第だと思いますが、
]長期間であることだけは間違いありません。
私は、「Nexia」と「早慶ゼロワン」という
2つの大学付属校専門の個別指導塾を経営しています。
入塾の条件は、ともに「大学付属校を第一志望としていること」としています。
つまり、進学校を志望している生徒の入塾を認めていません。
なぜだと思いますか?
小学生の大事な時間を4年間も費やしているからです。
まだ幼い小学生がやりたいことも我慢して受験勉強に時間を費やすからです。
受験勉強を嫌々ながらにやっていたとは思いませんが、
それでも勉強以外にやりことはたくさんあったことでしょう。
それを抑えて受験勉強した受験生たちに、
合格したらやりたいことを思いきりやってもらいたいからです。
進学校に行ったらさらに6年間、
合計10年間を受験のために費やすことになります。
もちろん価値観の違いかもしれませんが、
私は自分の娘に10年間も受験のために時間を使って欲しくありません。
その時間を娘のやりたいことに傾けてもらいたい。
大学付属校には、それができる環境が揃っている。
だから、私は大学付属校が好きです。
子どもたちの可能性を伸ばし広げてくれる大学付属校が大好きです。
「中学受験と幸せの答え」をさがしていきましょう。
私はこれからも思っていることを本音で書いていきます。
塾業界で蔓延している非常識を明らかにしていきます。
皆さんに少しでも早く目を覚ましてもらうために!
「中学受験と幸せの答え」をさがしていきましょう。
では、また!
もし、受験のことでお困りのことがありましたら、
中学受験カウンセラーが直接に、
カウンセリング(無料)を実施します。
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■書籍
野田 英夫 最新刊
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望月 裕一
『早稲田・慶應中学の社会 偏差値40台からの大逆転合格法』 https://www.amazon.co.jp/dp/4753934721
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