大学付属校を志望しているリスクとは?【前編】

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■中学受験で大学付属校を志望の皆さんへ

ここでいう「大学付属校」について定義しておきましょう。

まず中学受験で入学できる学校に限定します。

中学から入学できない、

例えば、早稲田大学本庄高等学院や

中央大学杉並高等学校などの学校は除きます。

次に、学校名に大学名を冠していること。

例えば、

明治大学付属明治中学校、

早稲田大学系属早稲田実業学校中等部、

法政大学中学校、など。

また、「~大学」とまで言わなくても、

立教池袋中学校、成城学園中学校、

獨協埼玉中学校など

「大学」が名称に入っていなくても大学付属校とします。

さらに、大学名を冠してなくても、

香蘭女学校中等科のように

立教大学の系属校になっている場合は大学付属校とします。

しかし、白百合学園中学校は大学付属校とはいえません。進学校です。

系列の白百合女子大に進学するのは数%しかいないので。

同様に、武蔵中学校などもそうですね。

系列の武蔵大学に進学するのはやはり数%しかいませんから。

つまり、

ここでいう大学付属校とは、

中学受験する家庭がふつうに「大学付属校」と呼んでいる学校

これらを「大学付属校」と定義します。

というのも、

このように言っておかないと、

細かいことにチャチャをいれてくる輩がいるから。

例えば、慶應義塾では付属校とは呼ばず一貫教育校と呼んでいる。だから大学付属校ではないんだ、とか。

こんなくだらないことをいうヒマな輩がいるから

言っておかないといけないんですよ。

さて、

全部ではないですが、

列挙しておきます。

それも首都圏だけで。

早稲田大学高等学院中学部、早稲田実業学校中等部、早稲田中学校、早稲田佐賀中学校、慶應義塾普通部、慶應義塾中等部、慶應義塾湘南藤沢中等部、学習院中等科、学習院女子中等科、明治大学付属明治中学校、明治大学付属中野中学校、明治大学付属中野八王子中学校、青山学院中等部、青山学院横浜英和中学高等学校、青山学院大学系属浦和ルーテル学院中学校、立教池袋中学校、立教新座中学校、立教女学院中学校、香蘭女学校中等部、中央大学附属中学校、中央大学附属横浜中学校、法政大学中学校、法政大学第二中学校、東邦大学付属東邦中学校、成城学園中学校、成蹊中学校、明治学院中学校、東洋大学京北中学校、東海大学付属浦安高等学校中等部、東海大学付属高輪台高等学校中等部、獨協埼玉中学校、芝浦工業大学附属中学高等学校・・・

その他まだまだあります。

■大学付属校にいくと可能性を狭めてしまうのか? 

中学受験では、

いま大学付属校人気となっている。

理由は、

大学入試改革や大学入学定員の厳格化の不安などさまざま。

確かに、いま大学受験は難しくなっている。

有名難関大学に合格するのは困難を極めている。

世間をにぎわしたあの日大でも文系・理系問わず入るのは難しい。

だから、比較的入りやすい中学受験で大学付属校を選択する。

この傾向には意味があると思う。

保護者は正しい選択をしている。

しかし、

大学付属校は「エスカレーター」と揶揄される傾向がいまも存在する。

特に、SAPIXや四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研などの進学塾では、

いまもこの表現を多用しているようだ。

エスカレーターという言葉には、

「自動的に大学に行ける、勉強しないバカでも・・・

という意味が含まれる。

大学付属校には「大学受験」がない。

大学受験がないから「勉強しない」、

そして勉強しないから「バカになる」という解釈なのだろう。

でも、果たしてそうであろうか?

さらに、

いまではこれをいう人は少なくなったが、

「大学付属校にいくと子どもの可能性を狭めてしまう・・・」

先に挙げた進学塾では、

いまでも生徒や保護者に対して、

「可能性を狭めてしまう・・・」と説明しているそうだ。

では、その可能性とは何を言っているのか?

もしかして大学受験のことか?

もっと高い大学に入れる可能性を閉ざしてしまうということか?

例えば、

大学付属校の東洋大学京北中学校を志望している家庭に、

「中学で東洋大学に決めてしまわなくても、

進学校なら6年後に国公立や早慶だって狙えますよ!」

「だから、子どもの可能性を狭めないためにも進学校を受験しましょう」

こういうことか?

もしそういうことなら発想がくだらない!

視野が狭いし、度量が小さい。

それこそ子どもの将来をみていない。

10年前ならギリギリ通用するかもしれないが、

学歴社会がすでに終わったいま、

大学を例に挙げて、

「子どもの可能性」なんてクチにしてほしくない。

あなたたちは「大学付属校」の価値がわかっていないと言いたい。

■大学入試改革のそもそもの目的とは?

大学入試改革の柱となる「大学入学共通テスト」だが、

記述式問題の導入、思考力・判断力・表現力を測る問題の出題

注目されている。

では、なぜこのような出題に改変しなければならなかったのか?

それは、

大学入試が、

暗記中心で知識偏重の入試だったことへの反省からである。

これまでの大学入試では、

限界が来ていると判断したためである。

確かに、

過去の日本においては、

暗記中心で知識偏重の大学入試により

一定の成果を上げてきたことは否めない。

大学受験で長時間の勉強を自分に強いることにより、

学力と耐性の強化につながることは確かに認める。

しかし、それが「使える能力の向上」

つながっていたかは甚だ疑問である。

繰り返すが、

日本はすでに学歴社会ではない。

大学卒業という学歴は必要不可欠ではあるが、

それを武器にして飯が食える時代ではないのだ。

日本の人口減少数は年間100万人である。

全体の1%が1年で減少している。

高校を卒業する6年後は6%減り、

さらに大学を卒業する10年後には10%、

日本の人口1000万人が減っているのだ。

これが何を意味するのか?

学歴にしがみついていても絶対に飯は食えない。

だから、「使える能力」を身につける。

「生きる力」である。

「使える能力を身につけた人だけが生き残る」ということだ。

■大学付属校では何を学ばせているのか?

大学付属校では、

基本的に「大学受験対策」に縛られない教育が実践されている。

基本5教科については当然のこととして、

探求型学習、アクティブラーニング、国際教育など、

社会で通用するための学びが盛んに行われている。

また、大学付属校には大学という強い保護者がいる。

だから学校運営に必要な資金に余裕がある。

環境や設備も充実している。

都心にあっても敷地が広く、校舎も広々としている。

人工芝にしているグラウンドも多く、整備が行き届いている。

理科実験室の備品の充実、IT環境も整っている。

そして、

中学・高校生が大学の施設を利用できたり、

大学の授業を受講して単位を取得できるものもある。

なかには大学生と一緒に資格試験の勉強をする者もいる。

このように、

中学・高校の6年間を、

大学受験に縛られることがなく、

「自分がやりたいことができる環境」が大学付属校にはある。

自分の将来を見据えた行動を選択することができる。

私の教え子には、

「将棋に人生を捧げたいといって中学から奨励会に」

「水泳選手としてパリ五輪を目指している」など

多くの教え子たちが大学付属校に進学して、

自分のやりたいことを精一杯やっている。

しかし、

「中学受験の勉強に疲れたから、

もうこの先、勉強はしたくない・・・」

こんな発想で、

大学付属校に入学してしまうと6年間が無為なものになってしまうだろう。

しかし、

みんながみんな、やりたいことが決まっているわけではないだろう。

だから、まだやりたいことが見つかっていなくてもいいと思う。

大学付属校に入学してから、

自分のやりたいことを見つけたらいいと思う。

大学付属校には、

将来ずっとつきあっていける仲間がいる。

やりたいことが見つけられる環境もあるのだから。

自分のやりたい、なりたいがみつかることと思う。

                  【後編に続く】

「中学受験と幸せの答え」をさがしていきましょう。

私はこれからも思っていることを本音で書いていきます。

塾業界で蔓延している非常識を明らかにしていきます。

皆さんに少しでも早く目を覚ましてもらうために!

では、また!

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