早慶国語

慶應慶應義塾中等部 国語の問題

早慶維新塾・国語担当の青山雄一(あおやま ゆういち)です。

今年の慶應義塾中等部の問題をパッと見た瞬間に目が言った問題があります。

文学史です。久しぶりの登場、という感じがしました。

【慶應義塾中等部の問題】

では、どのような出題だったのでしょうか。見てみましょう。

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次のA~Fは、ある文学作品の一節です。次の文章を読んで、後の各問いに答えなさい。

 A 綱を手からはなし、鉤は船に引っかけたままにしておいて、ナイフを取り出すと、錨綱を、力まかせにかたっぱしからたち切っていった。そのさいちゅうには、矢を二百本以上も、顔や手に射かけられた。この作業がすむと、また鉤のついている綱の結び目を手ににぎって、軍艦の中でも最も大きいのを五十隻ほど、らくらくと引っ張ってもどってきた。

B 「和尚さんは、どこからおいでなすった。」老婆がこう問うので、三蔵が唐王の命をうけて、西天へ経を取りにゆくのだと話すと、「おやおや!」と、老婆はあきれたようにいう。

「天竺はここから十万八千里もありますよ。お弟子もつれずに、どうしてゆけます?」

C 「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」ジョバンニが斯う云いながらふりかえって見ましたらそのいままでカムパネルラの座っていた席にもうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。

D 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがて提陀多が血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、又ぶらぶら御歩きになり始めまた。

E 司教は、暖炉のところへいって、二つの銀の燭台を取り、それをジャン・ヴァルジャンのところに持ってきた。ジャン・ヴァルジャンは、からだじゅう、ふるえていた。

F 「ああ、ロミオ様、ロミオ様!なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは? あなたのお父様をお父様でないといい、あなたの家名をお捨てになって!」

問一 A~Eの作品名を、次の1~9からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。

1 走れメロス   2 銀河鉄道の夜   3 ドン・キホーテ

4 蜘蛛の糸    5 レ・ミゼラブル  6 ジャングル・ブック

7 西遊記     8 ガリヴァー旅行記 9 吾輩は猫である

問二 C~Fの作品の作者を、次の1~9からそれぞれ一つずつ選び番号で答えなさい。

1 ジュール・ヴェルヌ      2 ヴィクトル・ユーゴー

3 ウイリアム・シェイクスピア  4 コナン・ドイル

5 夏目漱石   6 宮澤賢治  7 司馬遼太郎

8 太宰治    9 芥川龍之介

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いかがでしょうか?

大人が考えてみても面白い問題だと思います。

慶應義塾中等部では、過去にこのような問題が出題されています。

過去問研究をじっくりとしている方、

過去問研究をじっくりとしている塾で指導を受けた方は戸惑わずに済んだのではないでしょうか。

【文学史の知識をつける】

文学史を苦手とする生徒さんは少なくありません。

どのような勉強をしていますか?

知識をまとめた参考書等を用意して、作品名と作者を覚える。

だいたい、時代別にまとめられているでしょうか。

だいたいこのパターンだと思います。

もちろん、このように身に付ける知識が無駄というわけではありません。

むしろ必要なものだと思います。

繰り返し、繰り返しやっていくことでようやく知識を身に付けられる。

苦手な生徒さんはこの繰り返しが足りない場合が多いです。

頑張ってください。

しかし。

この勉強では慶應義塾中等部の問題を解くことはできません。

何が原因でしょうか?

【一般教養とは】

先日、AMAZONを見ていた時のことです。

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む』

という本を見つけました。

シリーズ化されていて、何冊も出ています。

当塾にもこのような本が置いてあります。

一部の生徒さんは熱心に読んでいます。

このような本が邪道だ、というような意見もあります。

しかし、簡単にストーリーを知り、興味を持てばいいのではないでしょうか。

大人も、有名な作品を全部読んでいるわけではありません。

それでも、何となくストーリーを知っています。

そして、興味がわいた本を読んだのでしょう。

その積み重ねで上のような問題にも対応することができます。

では、慶應義塾中等部は生徒に何を求めているのでしょうか?

それは、「一般教養」として文学作品を知っていてほしいということではないでしょうか。

小さいころからの積み重ねで『銀河鉄道の夜』などに触れている生徒さんは有利な問題です。

そう。一般教養は積み重ねで身につくものなのです。

受験一か月前に「文学史対策プリント」をやるだけで身に付けたものでは対応するのは大変かもしれません。

もちろん、塾ではこのような問題にも対応できるように指導していきます。

が、膨大な量を覚えることになり、とても大変な勉強になってしまっています。

以前、慶應大学の世界史の入試問題を見ていた時のこと。

文化史でクラシック音楽が出題されていました。

あまり聞いたことのない題名だったので、調べてみたら、世界新教科書には出ていません。

しかし、クラシック音楽が好きな知人に聞くと、

「その曲ならクラシック音楽にちょっと触れている人なら普通に知っているよ」

とのこと。

その時も、慶應はこれを「一般教養」ととらえているんだな、と感じました。

上記のような本でも構いません。

机に向かって参考書を開く勉強ではなく、生活の中で行う勉強もあります。

様々なことに興味をもち、受験勉強で身に付けた知識をより豊かなものにしてほしいと思います。


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