早稲田佐賀中学校2022

入試分析

早稲田佐賀中学校
2022年度

早稲田佐賀中学校
(合判模試偏差値 男子:70/女子:70)

所在地:佐賀県唐津市東城
調査書・報告書の有無:有
※ただし、新思考入試のみ
面接の有無:無
予想合格最低点 210点/300点

早稲田大学の7番目付属・系属校として、佐賀県唐津の地に開校。「九州のWASEDA」として、早稲田大学建学の精神を踏まえた三本の柱「学問の独立」「進取の精神」「地球市民の育成」を理想とする教育活動を展開し、九州を代表する進学校を目指す共学校。中学校では知識や思考力・判断力につながる基礎的な応用力、実践力へと発展させ、さらに高い学力や能力、そして意思決定力や国際性を育成し、最適かつ高いレベルの大学で学ぶための力をつける。

2022年度入試情報

過去7年間の実質倍率(1次試験のみ)

国語

2022年度入試分析

大問数3題、小問数40題と、小問数がかなり増加しました。大問3で知識も問われていますが、今年は短歌が復活しました。和歌の技法については、古いものまで含めて過去問を演習していた受験生はそれほど戸惑わずに対処できたのではないでしょうか。文章量からみても、60分の試験時間を考えると、適切なボリュームです。 設問内容ですが、例年通りです。しかし、数年前より難易度が上昇していますし、記号選択でない問題(抜き出しなど)が増えています。過去問をたくさん解くことは大切なことですが、一方で数年前の過去問よりも難易度が上がっているので戸惑った受験生もいるかもしれません。記述問題は大問一で50文字以内のものが一題、大問二で25文字のものが一題出題されています。昨年は一題だったので記述問題の数は増加しています。以上のことから全体の難易度はさらに上昇したといえます。大問三でも慣用句の使用法の誤りを指摘する問題が出題されています。単純に言葉を覚えるのではなく、用法を覚える、つまり、例文などを参考にしながら覚えることが大切です。漢字やことわざは決して難易度の高いものではなく、普段の学習の積み重ねが大切です。きちんとした対策を継続してください。

2022年注目問題


単純に慣用句を覚えていませんか?「走馬灯」「鬼」「首」「まな板」「鯉」などは空欄補充になりやすいですし、暗記用の参考書などではこの部分の穴埋めを覚えて終わりということになりかねないです。しかし、このように文章で出されたときに正しい意味なのか分かっているでしょうか?勉強するときに自分で例文を作るなどの工夫が必要です。 早稲田佐賀中学校では今年度から思考力入試が始まりました。その問題もそうですし、2022年国語の問題でも大問一・二の最後の問など「思考力」「表現力」「判断力」が必要な問題が出題されています。あえて、慣用句の問題を注目の一題としましたが、入学試験の時だけでなく、普段から暗記だけの勉強をしないでほしいという学校のメッセージだと感じました。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2022年度入試分析

制限時間60分・配点100点・大問5題・小問26題と、問題数は、ほぼ例年通りでした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。全体を通して比較的解きやすい基本レベルから標準・発展レベルの問題が、バランスよく出題されていました。問題数が多いので、時間配分に注意が必要です。

まず1は、一行問題が12題。中には、問題文を丁寧に読まないと、時間がかかってしまう問題が含まれているので要注意です。範囲の偏りはなく、色々な分野が出されるので、すべての範囲に対応できるように、準備しておきましょう。もちろん、全問正解が必至です。2は、資料を見て整理する問題です。3は速さの旅人算の問題。条件整理と基礎知識の定着がカギになります。4は平面図形の辺の長さと面積比の問題。(1)に考え方を書く記述問題があるので、日頃から途中式や考え方を書く習慣を身につけておきましょう。(2)(3)は比の知識をフル活用して得点しておきたい問題。5は立体図形の展開図の問題。4、5は毎年のように類題が出されています。日頃から図形問題は丁寧に解いて必ず正解にたどり着く訓練をしておくと効果的です。

2022年注目問題

2の数の性質の問題です。

資料より必要なことを読み取ることが必要です。条件整理をして、思考を積み重ねる問題は、今後も出題の中心となると予想されるので、対策は必須です。

過去10年の単元別出題傾向


早稲田佐賀中学校は、図形に関する問題がよく出題されるのが特徴です。体積や表面積の求積問題を中心に、基礎学力を早目に完成させた後、標準レベルの問題演習を行うとよいでしょう。また、最近は問題文が長めの条件整理・思考問題が増えているので早稲田系の過去問を使って問題演習を行うと効果的です。

合格のために

  1. 毎日の計算練習で、計算力を身につける。
  2. 基礎を早目にマスターする。
  3. ランダムな問題集で、実戦力を身につける。
  4. 図形は相似の問題を中心に平面・立体ともに丁寧に練習する。
  5. 早稲田系の問題を使って条件整理をしてじっくり考える問題演習を行う。

社会

2022年度入試分析

2022年度入試では、大問数3題は例年通りですが、小問数は39題と例年よりも少なくなっていました。さらに、例年出題されている字数指定の記述問題が、出題されていませんでした。以上のことから、多くの受験生が制限時間に焦ることなく、余裕を持って試験に臨むことができた問題であったと考えられます。また、2022年度入試では、2年連続で「地形図の読み取り問題」が出題されました。難易度は基本レベルの問題ですので、多くの受験生が解けたのではないでしょうか。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田佐賀合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

2022年注目問題


早稲田佐賀中学校の地理は、各都道府県情報から読み取れることを答えさせる問題が特徴としてあります。しかも毎年必ず表にまとめて出題されますので、それなりの対策が必要になります。2022年度入試の1では、「ふるさと納税」を題材とした地理の問題が出題されました。早稲田佐賀中学校は、試験時間が40分あり、他の中学校よりも試験時間は長いです。また、解答数も多いので、上記のような問題に多くの時間を費やすと、たちまち試験は終わってしまいます。このような問題に直面した場合、一覧としてまとめた表に書かれている情報・共通する内容を瞬時に見つけましょう。イメージは、クイズを解くような感じです。ちなみに問12の答えは、「種別AがⅠ・種別BがⅣのイ」となります。そして、問13の答えが「Aのみのア」となります。この問題に時間が掛かるのであれば、自分が解ける問題にうつりましょう。時間の使い方が試される上で、非常によい問題です。また、上記でも記載した通り、2022年度入試でも地形図の読み取り問題」が出題されました。地形図の読み取りは、早稲田系列の中学校では稀なケースですので、今後対策が必要になるかもしれません。2は「戦後日本の出来事」を題材とした公民問題が出題されました。問題の難易度は、基本~標準レベルの問題ですので、確実に正解しておく必要があります。3は各時代の「経済活動・経済政策」に関する歴史問題が出題されました。問題数は16問と多いですが、どの問題も基本問題・標準問題レベルですので、高得点が取れたと思われます。今年度の問題では、全ての大問に資料や史料から正しく述べている選択肢を答えさせる問題が出題されました。このような問題は、2022度を含めて4年連続で出題されていますので、文章・データの読解力も養う必要があります。

過去10年の単元別出題傾向


早稲田佐賀中学校の歴史は、ほぼ全ての単元から満遍なく出題されています。よって、歴史で躓くと点数が取れないということになります。歴史が苦手な場合は、早期に対策をする必要があります。

合格のために

早稲田佐賀合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。2021年度入試でも出題されませんでしたが、早稲田佐賀の入試問題では、記述問題が大問毎に出題されます。普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をする必要があります。また、早稲田佐賀の特徴である「九州地方に関係する地理・歴史の問題」・「表から読み取れる問題」も出題されますので、普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2022年度入試分析

今年度は大問数4,小問数28,解答箇所35で,昨年と比べ問題数は多くなりました。解答形式は,選択問題,用語記入,計算問題がバランスよく配置されています。今年度は記述問題の出題はありませんでしたが,グラフを描く問題が1問出題されました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

大問1は「水」をテーマにした問題でした。知識や計算を要する問題が出題されていましたが,問題文をよく読めば解答するのは難しくない問題だったでしょう。大問2は「星の動き」の問題でした。星の日周運動,年周運動を中心に星の色や明るさなども問われていました。どの受験生も一度は解いたことのある問題で,難易度も高くありませんでしたので大問3は「季節と生物」。植物や動物の基本的な知識の総合問題でした。幅広い範囲からの出題でしたので,苦手な分野がある受験生には不利になってしまったかもしれません。大問4は「電流のはたらき」からの出題でした。合成抵抗,オームの法則,電力の計算方法が示されたうえで,設問を解き進める問題でした。内容的には中学理科の範囲ですが,問題文が理解できていれば計算することに困ることはないはずです。しかし,問題のレベルは決して低くありませんので,おそらく合否を分けたのはこの問題だったでしょう。

2022年注目問題


問題文の指示通り計算をすれば,解答まで辿り着ける問題でしたが,表から各抵抗を求め,合成抵抗を計算し,オームの法則を利用して流れる電流を求めるといった,数段階の計算が必要な問題です。この学校の合格のためにはこのレベルの計算を要する問題に対応できる必要があるでしょう。全体的に難易度は高くありませんでした。しかし,解きやすい問題ばかりとは言えません。例えば,問題文が長いことがあげられます。この学校の理科の入試問題はここ数年この傾向にあります。問題文や表・グラフなどの情報を解法に生かせることが高得点につながります。

過去10年の単元別出題傾向


全分野もれなく基本知識を学習しておくことが必要です。あやふやな知識は使えず確かな知識が求められます。計算問題はやや難易度が高い傾向にあります。様々な図やグラフがある問題を練習しておきましょう。

合格のために

これまで見てきた通り、早稲田佐賀の合格を勝ち取るためには、
  1. 基本的な知識を確実にすること。
  2. 不得意な分野をなくすこと。
  3. 物理や化学を中心として計算問題を十分に練習すること。
計算問題への対応には、複数の内容を整理し理解する力、表やグラフを読み取る力を身に付けるが必要です。特に計算問題においては、この学校に向けた十分な対策をしておかなければなりません。
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