早稲田佐賀中学校2018

入試分析

早稲田佐賀中学校
2018年度

早稲田佐賀中学校(統一合判偏差値 男子:60/女子:60)
2018年度入試情報
筆記試験 国・算・社・理
入試日1/7 性別:男子

定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
70名 550名 7.86倍 537名 334名 1.61倍
入試日1/7 性別:女子
定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
40名 245名 6.13倍 241名 166名 1.45倍
過去5年間の実質倍率
性別:男子
2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
1.61倍 1.37倍 1.49倍 1.27倍 1.43倍
性別:女子
2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
1.45倍 1.29倍 1.59倍 1.31倍 1.36倍
2018年度入試は、過去5年間の実質倍率から見ても一番高い結果となりました。倍率が上がった要因として、早稲田佐賀高等学校野球部の夏の甲子園出場により、知名度が一気に上がったのではないかと思われます。早稲田佐賀は、早稲田中学校と同様に50%の推薦枠を持ちますが、同時に難関国立大学・医歯薬系大学を目指す進学校の側面を持ち、「九州一の進学校」を目標としています。また、「早稲田佐賀の最大の特徴は寮生活」と自負するように、附設寮の八太郎館では全国各地から多くの生徒が集まって共同生活を送っています。食事をはじめとする生活面のフォローはもちろん、毎日3時間以上の自主学習時間の確保、学校の教員が担当するドーミー・スクールなどの学習面のフォロー態勢も万全な学校です。また、1月入試は、本校・名古屋・福岡・北九州・熊本会場に加えて、首都圏にも会場が設けて実施され、試験から入学手続きまでを首都圏で済ませることが可能です。地方にありながら毎年受験者数を増やしており、今後は難関化がさらに進むと考えられるので、きちんとした対策が必要であると言えます。

国語

大問数3題、小問数26題と、例年通りの問題数でした。今までは、大問3が詩・短歌・俳句の問題でしたが、今年度からは漢字と知識問題になっています。そのため、文章量が増えています。60分の試験時間を考えると、適切なボリュームです。


設問内容ですが、今年度は難易度を上げてきています。選択肢の問題では、苦戦した受験生は少なくないでしょう。記述問題は60字以内で書かせるものが説明的文章で1題、文学的文章で1題ずつの出題です。記述問題も、例年より難易度を増してきています。反対に、知識問題は平易な問題ですので、確実に得点することが合格するために必須です。

算数

制限時間60分・配点100点・大問5題・小問20題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。前年度よりも、全体を通して比較的解きやすくなったようです。基本から標準レベルの問題が、バランスよく出題されていました。60分の試験時間から、丁寧に考え、再度見直す時間は十分にあったと考えられます。


まず〔1〕の8題は、基本的な問題がほとんどですが、中にはちょっとひねった、問題文を丁寧に読まないと、時間がかかってしまう問題が含まれているので要注意です。範囲の偏りはなく、毎年色々な分野が出されるので、すべての範囲に対応できるように、準備しておきましょう。もちろん、全問正解が必至です。次に〔2〕の問題は、与えられた式を見て、等差数列の公式を使えばいいと、気付くことができると、とてもやさしい問題に感じられます。計算ミスなく3題ともに、全問正解できる問題でした。〔3〕は旅人算と比の問題。図を描くと問題全体のイメージが持てます。基礎知識の定着がカギになります。〔4〕は平面図形の辺の長さと面積比の問題。(1)は時間をかけずに正解できます。ただ、(1)→(2)→(3)と、前の問題の答えを使って次の問題を解くようになっているので、(1)を間違うと大問すべて失点してしまう危険性があります。ですから(1)は基本的な問題ですが、とても重要です。(2)、(3)は比や相似の知識をフル活用し、スマートに解く練習をしておくと良いでしょう。〔5〕立体図形の切断の問題です。切断のパターンは基本の3点なので、ほとんどの受験生は切断のイメージが正しく持てたと思います。(1)は立方体の中の空洞になっている部分が正しくイメージできれば、あとは計算力。(2)(3)は、与えられた図2を上手に使いこなせると、解法の糸口が見えてきます。 今年の一題は〔5〕です。図2の使い方に気付くと、解きやすくなります。切断のイメージと合わせて考えると良いでしょう。
早稲田佐賀中学校は、立体図形に関する問題がよく出題されるのが特徴です。体積や表面積の求積問題を中心に、基礎学力を早目に完成させた後、標準レベルの問題演習を行うとよいでしょう。早稲田系の過去問を使って問題演習を行うと効果的です。

社会

大問数3題・小問数47題と例年通りです。また、早稲田佐賀は、毎年必ず「九州地方に関係のある問題」が出題されますので、普段の学習から対策をしておく必要があります。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田佐賀合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。


〔1〕は「動物」を表す漢字が含まれる市町村を題材にした地理問題が出題されました。早稲田佐賀中学校は試験時間が40分あり、他の中学校よりも試験時間は長くなっています。ですが、解答数が多いので、上記の問題に多くの時間を費やすと、たちまち試験は終わってしまいます。この問題に直面した場合、この表に書かれている情報を瞬時に見つけましょう。イメージは、クイズを解くような感じです。ちなみに、今年度の場合では、問題文に「動物」と最初から書かれていますが、例年は、設問で表に共通する内容は何かを答えさせる問題が出題されています。また、大問毎に必ず難問が出題されます。今年度で言えば、丸亀市の緯度・経度を答えさせる問題です。分からなければ、自分が解ける問題にうつりましょう。時間の使い方が試される上で、非常によい問題です。〔2〕は人権を題材にした公民問題が出題されました。問題の難易度は、基本レベルから標準レベルの問題が大半ですので、多くの受験生が取れたと思われます。また、2も1と同様、難問が出題されています。今年度で言えば、問9(2)のグラフを見てわかることを記述させる問題が出題されましたが、グラフを細部まで読み取れば必ず解ける問題ですので、焦る必要はありません。〔3〕は各時代の鉄と人々の暮らしに関する歴史問題が出題されました。問2以外は、難易度も基本問題・標準問題レベルですので、高得点が取れたと思われます。問2は、熊本県にある古墳の名前を答えさせる問題が出題されました。まさに、早稲田佐賀の特徴である「九州地方に関係のある問題」です。九州地方の地理・歴史が苦手な場合は、早期に対策をする必要があります。

以上のことから、早稲田佐賀の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。また、早稲田佐賀の入試問題は、記述問題が大問毎に出題されますので、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をする必要があります。加えて、九州地方の地理・歴史も必ず出題されますので、普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

今年度は大問数4、小問数17、解答箇所28で、昨年と比べ、大問数・解答箇所ともに変化ありませんでした。解答形式は数値を求めるものや語句を記入するものが多く、選択形式はやや少なめで、「すべて選ぶ」形式も出題されました。記述は出題されていませんでした。出題されている実験や観察では、単なる知識の丸暗記ではなく、その方法や意味をよく理解しているかが要求されていました。計算は一部レベルの高いものが出題されています。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。


〔1〕は「てこのつり合い」。問1は標準的な問題。問2は仕組みをよく考え、じっくり取り組む必要があります。特に(3)は時間内に正解するにはかなりの計算力を要します。
〔2〕は光合成研究の歴史についての説明文の後、光合成の実験手順についての設問が続きました。〔3〕は水の状態変化に関する標準的な内容です。〔4〕は天気図が示され、季節ごとの特徴や時間的な変化だけではなく、前線の周辺で生じる現象の仕組みなどへの理解も問われました。〔2〕~〔4〕は基本的な設問が多く、理科の学習が12月末までに終わらせていた受験生は全問正解も難しくはなかったはずです。 これまで見てきた通り、早稲田佐賀の合格を勝ち取るためには、1.基本的な知識を確実にすること。2.不得意な分野をなくすこと。3.物理や化学を中心として計算問題を十分に練習すること。特に3.の計算問題は合格を確実にするために最も重要です。
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