早稲田実業学校中等部2022

入試分析

早稲田実業学校中等部
2022年度

早稲田実業高校中等部
(合判模試偏差値 男子:74/女子:75)

所在地:東京都国分寺市本町
調査書・報告書の有無:有
面接の有無:無
予想合格最低点 180点/300点

教育方針は、「豊かな個性と高い学力と苦難に打ち勝つたくましい精神力を兼ね備えた人物」を育成すること。その目的を達成するために、校是として「去華就実(華やかなものを去り、実に就く)」、校訓として「三敬主義(他を敬し、己を敬し、事物を敬す)」を掲げている。早稲田系列の中では唯一、小学校からの内進者もいる。2002年に共学校となり、ほとんどの生徒が早稲田大学に進学する。スポーツの名門校でもある。

2022年度入試情報

過去7年間の実質倍率(1次試験のみ)

国語

2022年度入試分析

大問数3題、小問数17と、この分量が定着したようです。大問2の小問4つは全て記述問題でした。文字数は20~40字でしたので、大きな問題はないと思います。過去問演習などを通して慣れていた受験生は戸惑わずに解けたと思いますが、準備をしていないとかなり難しく感じたかもしれません。文章量はそれほどでもありませんが、大問2を解くときに時間が足りなくなった受験生もいたかもしれません。十分に準備をして受験に臨んでください。

2022年注目問題


大問1から順番に解いた受験生は大問2で時間を取られ、この問題で焦ってしまった可能性もあります。そうすると、思い浮かぶものも思い浮かばなくなります。どのように問題を解くのか、タイムマネジメントも含めて考えていかなければいけない問題でした。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2022年度入試分析

制限時間60分・配点100点・大問5題・小問16題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。長文や資料を正確に読み解いてその場で思考を積み重ねていく問題が毎年出されるのが早稲田実業の特徴ですが、今年は、昨年に比べ解きやすい問題が全体的に増えたようです。

まず1の4題は、時間をかけずに全問正解が必至です。各単元の基本的な問題は時間をかけずに正解できるようにしっかり練習しておきましょう。次に2の(2)は時計の問題。基礎知識を問う問題です。日頃より記述の練習をしておきましょう。必ず得点しておきたい問題です。また3の差集めの問題は、テキストなどで、1度は見たことがある、解いたことがある取り違えの差集め算の問題です。問題文は複雑ですが、落ち着いて整理して丁寧に考えていくと、内容自体は標準レベルなので、合格するためには必ず正解してほしい問題です。4は規則性の問題。平面の分割に気付くかどうかがポイントでした。5は与えられた図から一見難しそうに感じられ、全く手をつけなかった受験生もいたようですが、合格を勝ち取るには、ぜひ取り組んで(1)は正解してほしい問題です。最後の問題で、時間切れで十分に考えられなかった受験生も多かったようです。

2022年注目問題

5 平面図形(歯車)です。

歯車の問題です。総合問題なので、丁寧に思考を重ねて(1)(2)①までは正解にたどり着いてほしい問題です。

過去10年の単元別出題傾向


数の性質と図形(平面図形・立体図形ともに)では、かなりレベルの高い問題が出題されます。

合格のために

早稲田実業の合格を勝ち取るためには
  1. 高度な計算力を身につける。
  2. 基礎力は早目に完成させる。
  3. 平面図形は問題を見ると解き方が浮かぶようになるまで念入りに。
  4. 立体図形の切断や展開図からのイメージを正しく持てる練習を行う。
  5. 長めの問題文の問題にあたり、時間をかけて丁寧に考える。その際に途中でやめずに、必ず解き方を理解し、正解にたどり着くこと。
早稲田実業攻略のカギは問題文の正確な把握と思考の積み重ね、試験時間のコントロールですが、直前の追い込みで何とかできるものではありません。基礎力が完成したならば、早い段階で早稲田実業に特化した問題処理能力養成のための訓練をしていくと効果的です。

社会

2022年度入試分析

大問数は3題、小問数は24題と例年通りでした。これは、記述問題が昨年度よりも少なくなったことに関係があると思われます。また、2022年度も地形図の読み取り問題が3年連続で出題されました。今後、しっかりと対策をしていく必要があります。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田実業合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

〔Ⅰ〕は「大阪府」を題材とした歴史の総合問題が出題されました。ここでは、記号問題・用語記入問題が9割でした。最後の問8のみ、写真から読み取れる内容を記述する問題が出題されましたが、写真に描かれているものが何かが分かれば解ける内容となっていますので、そんなに難しくはありません。〔Ⅱ〕は「千葉県」を題材とした地理の総合問題が出題されました。問1では地形図の読み取り問題が、問2ではグラフの読み取り問題がそれぞれ出題されました。問題の難易度は、基本から標準レベルなため、高得点が取れたと思います。〔Ⅲ〕は「日本の象徴である天皇についての会話文」を題材とした公民の総合問題が出題されました。中でも問4は、自分の意見を記述する問題ですので、受験生の大半が多くの時間を費やしたことと思われます。この問題が分からなければ、自分が解ける問題にうつりましょう。時間の使い方が試される上で、非常によい問題です。それ以外の問題難易度は、基本から標準レベルですので確実に正解しておかなければなりません。

2022年注目問題


過去10年の単元別出題傾向


早稲田実業学校中等部の社会は、データの読み取り問題がよく出題されます。特に、国土・自然・気候・農林水産業・工業・貿易はデータ読み取りの定番ですので、苦手な場合は、早期に対策をしましょう。

合格のために

早稲田実業の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。また、早稲田実業の入試問題は、設問までの文章が長いため、国語と同様に読解力も身につけておかなければなりません。加えて、設問を細部まで読み解く力(例えば、正しくないものを答えるのか、正しいものをすべて答えるのかなど)も見極めながら正確に処理する判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2022年度入試分析

今年度は大問数3,解答箇所22と,例年と比較して大問数,解答箇所ともほぼ同じでした。出題レベルは基本的なものから標準的なものがほとんどです。しかし,20字と40字の記述問題も出題されていて,その準備は不可欠だったでしょう。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

1は「モーターと電気回路」の問題でした。複雑そうな問題に見えますが,問題文をしっかり読み理解することができれば,難易度が高い問題ではありませんでした。早実の理科ではしばしば難解そうに見えて問題文を読み取ることで解き進めることができる問題が出題されています。このような出題に慣れておくことが必要です。2は「植物」についての問題でしたが,前半の設問は二酸化炭素に関する出題でした。後半の設問は植物に関するある程度深い知識がないと対応しづらい問題でした。問7で出題されら記述問題は,昨年度に比べれば30字~40字と短いものでしたが,記述の対策は今後も必要でしょう。

2022年注目問題


この2問は,植物に関する興味・関心や知識が必要とされます。日ごろから,科学への関心を持ちテキストから得られるもの以上の知識を持つように心がけましょう。3は「環境問題」の出題でした。地球温暖化にかかわる,減少やその対策などの設問がありました。日ごろニュースなどに耳を傾け,情報を自分のものにしておく姿勢が大切です。燃料電池をFCと称することまで知っておくなど表面上の知識だけでは足りません。

過去10年の単元別出題傾向


生物領域は特に幅広い興味関心が必要です。また,今年度の出題にはありませんが,音や光の出題頻度が比較的高いのも早実の特徴の一つです。環境問題や時事問題も一般の入試に比べ頻出です。

合格のために

これまで見てきた通り,早実の合格を勝ち取るためには,
  1. 基本的な知識を確実にすること。
  2. 基本的な知識をもとに考える力を養成すること。
  3. 科学に興味を持つこと。
単なる受験知識ではなく日ごろから新聞を読み,ニュース番組を見て,生きた知識として自分のものにするように心掛けることが大切です。
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