早稲田中学校 2022

入試分析

早稲田中学校
2022年度

早稲田中学校
(合判模試偏差値 第1回:74/第2回:75)

所在地:東京都新宿区馬場下町
調査書・報告書の有無:無
面接の有無:無
予想合格最低点 130点/200点

大隈重信の教育理念に基づき、坪内逍遥らによって創設された、早稲田大学の付属・系属校の中でも最も古い伝統校。常に誠を基本とする人格の養成に努め、個性を伸張して、国家社会に貢献しうる、健康で民主的な人材を育成することを教育目標とする学校。中高一貫教育により、心身の自然な成長を図り、自らの志をとげる学力の向上を目指している。本人の希望を重んじ、約半数の生徒が、早稲田大学以外の国公立大学や医大に進む。進学校としての側面も持ちあわせている。

2022年度入試情報

過去7年間の実質倍率(1次試験のみ)

国語

2022年度入試分析

大問数2題・小問数15題と、例年通りの問題数が出題されました。文章量もほぼ平年並みです。問題の形式も、記号選択問題、書き抜きの問題、記述問題(30字、15字、7字)と早稲田中学校の定番と言える問題構成でした。また、設問の難易度も易しい問題から高難度のものまで幅広く出題されています。

2022年注目問題


「陰徳あれば陽報あり」という小学生にはあまりなじみのない言葉が出題されています。この言葉の辞書的な意味は「人知れずに善い行いをすれば、かならず善い報いがある」というものです。それが、「人に施しを与える、誰かを助けたりすることは、周りの評価などを期待しないで、淡々とシェアしなさい」という言い方で説明されています。 「周りの評価を期待しないで」といういい方が「誰にも知られることがなくても」=陰と思いつけば、陰の反対の言葉ですからBに陽が入るということが想像できると思います。 また、他の選択肢を入れても文中に説明されている意味にならないことは考えればわかると思います。難しい熟語が出題されても知らないから答えられないではなく、それを考えられるよう普段から漢字の意味までしっかりと学習しておくことが大切だという早稲田中のメッセージだと感じました。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2022年度入試分析

例年より難化傾向にあります。今までの小問集合で一見簡単そうだが、解けない問題や計算の力業が必要な要素が随所に見られました。また、解き方では発想が複雑な部分、また手法(シャドーなど)が求められました。平面図形と立体図形の双方の融合問題が1問見られたが、難しいので取り組む必要性はないと感じられます。また、最後の立体の切断の問題は一番難易度が低いことから、問題をまず一瞥して判断する必要はあったかと思われます。平均は例年より低くなると思われます。

〔1〕の(1)、(2)が平易な分、安心して(3)で躓く生徒が多数出そうです。(3)食塩水の問題をてんびんの手法だけで解く癖をつけてしまうと、解けないことに気づき慌てるパターン。普段から面積図を使っている子でも発想に苦しむ問なので、捨てるという選択肢もありでしょう。小問集合が簡単という概念は捨てることも重要です。〔2〕の(1)図形の回転の問題ではミスをしないことが重要です。(2)平面図形はなるべく簡単な解法に気づくまでに時間を要するので、そこには少し時間をかける必要性があり合格するには正解しておきたい問題ではありますが難しいです。(3)は展開図のみで問題を解いてしまうと失敗するうえ、立体の見取り図が書けないと基本的には解けません。これは捨て問だと考えて良いです。〔3〕のニュートン算は慌てず解くことができれば、得点源になりそうです。(1)の答えを出してから比をきれいに整えて、マルイチ算のように解かなければ、答えは意外ときれいになります。〔4〕は時計の問題ですが、3つの針があり角速度が以上に速く少し戸惑うかもしれません。(1)は時計算の問題に見えて数列の問題。(2)になると純粋に時計算の問題。(3)は時計算や速さ、点の移動で使うシャドー(影)を使えるととても速く解ける。〔5〕は立体図形の2回する問題だが、ここを落とすと他に得点する場所がない。2回の切断によってできる切断面の交線を引ければ、必ず突破できる問題になっています。

2022年注目問題

 〔3〕 食塩水の問題です。

AとBの量はてんびんで導き出せますが、そこからは面積図に持ち込むと何とか解ける問題にはなっています。受験生のほとんどが消去算に持ち込むなどして工夫しようとして時間を費やしてしまう。面積図にも慣れましょう!

過去10年の単元別出題傾向


合格のために

早稲田中学校の合格を勝ち取るためには
  1. 小問集合では簡単な問題を取りこぼさず、4分しても解法が思いつかない場合は、飛ばす勇気が必要。
  2. やはり図形の問題の正答率が合否を左右する。平面・立体両方が苦手な生徒は、まずは平面、次に立体の感覚を身に着けられると良い。逆に言えば図形が得意な生徒が欲しいという明確な意思が伝わってくるので、とにかく重点的にそこを強化していく。
  3. 今回の出題でも2問は見取り図が書けないと解けない問題があった。普段の授業で先生の板書した立体図形をノートに自分らしくでもいいから書ける癖を普段から心がけましょう!

社会

2022年度入試分析

大問数3題は例年通りですが、小問数は昨年度の33題から27題と少なくなっていました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田中学校合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

〔1〕は「萩市」の地形図を題材とした地理の問題が出題されました。早稲田中学校が地形図の読み取りを出題したのは、2000年以降で初めて出題されました。問題の難易度は、基本から標準レベルの問題ですので、地形図の対策をしていなかったとしても決して解けない問題ではありませんので、多くの受験生が取れたのではないでしょうか。〔2〕は「聖徳太子と法隆寺」の特別展を見学した父子の会話文を題材とした歴史の問題が出題されました。問題も記号問題や漢字指定の問題、空欄補充問題・年代の並び替え問題と幅広く出題されています。こちらも問題の難易度は基本から標準レベルですので、多くの受験生が取れたと思われます。〔1〕と〔2〕は、全て基本から標準レベルですので、失点をすると合否に差がつきますので、ケアレスミスは許されません。〔3〕は「新型コロナウィルスと人間の安全保障」を題材とした問題が出題されました。問題の内容は、日本国憲法の条文や国会の予算、2021年の時事問題と多岐にわたって出題されていますので、総合力が試されます。中でも問2は、この30年間の日本政府に関する数字の変化を述べた文で誤っているものを答えさせる問題が出題されました。この問題は、応用力が必要ですので、多くの受験生が戸惑ったはずです。このような問題に直面した場合、時間を多く費やす必要はありません。わからなければ次の問題に移りましょう。応用問題は問2と問3の一部のみですので、それ以外で点数が取れていれば、合格点に達することができます。時間配分も合否を分ける上での重要なポイントとなります。

2022年注目問題


過去10年の単元別出題傾向


早稲田中学校の歴史は、通史として出題される割合が非常に高いです。よって、テーマ史毎に学習するよりも時代毎に区切って学習する方法にすると良いでしょう。

合格のために

早稲田中学校の合格へのカギは、地理(グラフ・統計資料の読み取りも含む)・歴史・公民(時事問題も含む)を満遍なく対策をすることです。また、早稲田中学校の入試問題は、漢字で習ったものは必ず漢字指定で書かせる問題が多いです。普段の学習から、漢字で書く癖を身につけておきましょう。加えて、設問を細部まで読み解く力(例えば、ふさわしくないものや誤っているものを答えるのか、正しいものをすべて答えるのかなど)も見極めながら正確に処理する判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2022年度入試分析

大問数は4、解答箇所は22と例年通りの出題で,生物,地学,化学,物理の各分野から大問が1題ずつ出題されている点も変わりありませんでした。いずれの問題も難問奇問の類の出題は無く,取り組みやすい問題だったはずです。解答形式は,記号選択問題と計算を伴う数値記入の問題が中心で,短文の記述と作図問題が1問ずつ出題されました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題を示します。

〔1〕は「新型コロナウィルス感染症」の問題でした。時事問題ですが,単なる知識を問う問題ではなく新聞やテレビのニュースをしっかり理解していなければ解答するのは難しい問題でした。ウィルス感染後の抗体量の変化や細菌とウィルスの違いなどは,テキストにはのっていないものです。〔2〕は「音と光」に関する問題で,音の速さ,音の高さ,光の反射の設問が見られました。早稲田中では「光」の出題は2015年第2回入試以来,「音」の出題はここ10年以上出題がみられませんでした。設問の難易度は高くありませんでしたが,受験生はすべての単元で満遍なく学習しておくことが必要です。〔3〕は「水溶液の性質」に関する問題で,酸とアルカリの中和の計算を必要とする問題を中心に構成されています。正しくデータを読み取り,正確に計算する処理能力が必要でした。〔4〕は「地層」の問題でした。ほとんどが基本的な問題でしたが,問題の図の示すものが頭の中でイメージできたかが成否を分けました。

2022年注目問題


地層ではよく見かける問題ですが,苦手とする生徒が多い問題でもあります。大問ではほかの設問もありますから,それらを迅速に処理し,この設問を考える時間を確保したいところです。

過去10年の単元別出題傾向


全分野もれなく基本知識を学習しておくことが必要です。今年度は見られませんでしたが,複数回答の設問も出題されていますのであやふやな知識は使えず確かな知識を求められます。計算問題の難易度は高くはありませんが,条件を正確に把握し迅速に処理する練習が必要です。

合格のために

早稲田中の合格を勝ち取るためには
  1. 全分野の基本的な知識を確実にすること。
  2. 知識を組み合わせて考える練習をしておくこと。
  3. 計算問題を迅速に処理できるように練習すること。
  4. 問題文を速く正確に読み取る練習をすること。
難易度の高い問題は出題されていません。また,30分という試験時間を考えると,試験当日はじっくり考える時間はあまりありませんので,基本から標準レベルの問題をたくさん練習することに重きを置いた勉強を心掛ける必要があります。
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