早稲田中学校 2021

入試分析

早稲田中学校
2021年度

国語

2021年度入試分析

大問数2題・小問数15題と、例年通りの問題数が出題されました。文章量もほぼ平年並みです。問題の形式も、記号選択問題、書き抜きの問題、記述問題(30字~50字程度)と早稲田中学校の定番と言える問題構成でした。また、設問の難易度も易しい問題から高難度のものまで幅広く出題されています。

2021年注目問題


「陰徳あれば陽報あり」という小学生にはあまりなじみのない言葉が出題されています。この言葉の辞書的な意味は「人知れずに善い行いをすれば、かならず善い報いがある」というものです。それが、「人に施しを与える、誰かを助けたりすることは、周りの評価などを期待しないで、淡々とシェアしなさい」という言い方で説明されています。 「周りの評価を期待しないで」といういい方が「誰にも知られることがなくても」=陰と思いつけば、陰の反対の言葉ですからBに陽が入るということが想像できると思います。 また、他の選択肢を入れても文中に説明されている意味にならないことは考えればわかると思います。難しい熟語が出題されても知らないから答えられないではなく、それを考えられるよう普段から漢字の意味までしっかりと学習しておくことが大切だという早稲田中のメッセージだと感じました。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2021年度入試分析

制限時間50分・配点60点・大問5題・小問15題と、問題数は昨年から2問減少しました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。全体を通して比較的解きやすい基本レベルから標準・発展レベルの問題が、バランスよく出題されていました。問題数が多いので、時間配分に注意が必要です。

 〔1〕の3題は文章題が続きますが、基本的な知識で解法を求めることが出来るため、落とさずに取りたい問題です。 (2)(3)は問題文を正確に読み、書かれている条件を整理することで正解することが出来るはずです。〔2〕の3題は全て図形問題です。これは昨年も同様の出題がなされており、図形への対策を怠らないようにしましょう。正五角形や正六角形などの図形は、中央に線を引いた時や対角線を引いた時に現れる正三角形の規則など、多角形に対する経験を多く積んでおくことをおすすめします。 (3)の展開図は、組み立てた後の図形をイメージ出来るのかどうかがポイントとなる問題です。〔3〕以降は応用レベルの大問が続きます。 〔1〕は場合の数の問題です。長い文章が続きますが、(1)の問題を元に(2),(3)と解き進めることが出来るはずですので、冷静に取り組みましょう。〔4〕は直方体上の点の移動の問題です。図2にグラフが用意されているため、点が移動する時のADPの面積から、各辺の長さを求めることが出来るはずです。各辺の長さを求めることが出来れば、(1),(2),(3)は全て解けるはずです。〔5〕図形上を動く円の回転の問題です。図形上を円が回転移動していく時、円の中心点がどのような軌道を描くのかが分かれば、正解へと近付くことが出来るはずです。

2021年注目問題

〔3〕 図形の展開図です。

この展開図を組み立てると、どのような図形になるのかイメージ出来るでしょうか?どの辺がどの辺との対応するのかをイメージし、図形を組み立てられると正解へと近付けます。特に、早稲田中学校では「図形」の問題が必ず出題されます。図形問題への対策は絶対に怠ってはなりません。

過去10年の単元別出題傾向


合格のために

早稲田中学校の合格を勝ち取るためには
  1. 問題文を読み、条件を整理する力を身につける。
  2. 平面図形は、補助線を引くことで解きやすい図形を作ること、比の問題も練習をしておく。
  3. 立体図形は、展開図から見取り図が書けるようにする。
  4. 速さの問題は図形と同時に出る場合もありますので、苦手な分野を残さないようにしましょう。

社会

2021年度入試分析

大問数3題・小問数33題と例年通りです。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田中学校合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。
〔1〕は「ロングトレイル」を題材とした世界地理の問題が出題されました。問題の難易度は、基本~応用レベルと多岐にわたっています。なかでも問4で出題された「北アメリカ大陸最高峰の山」と「アフリカ大陸最高峰の山」の位置をヒントから答えさせる問題は一見難しいようにおもわれますが、設問に隠されているヒントを読み取ることが出来れば、正解に辿り着けます。

2021年注目問題.1


〔2〕は歴史上の人物を題材とした問題が出題されました。問題も記号問題や漢字指定の問題、空欄補充問題と幅広く出題されています。中でも問8の「歴史上の人物を五十音順に並び替えるとき、該当する人物が五十音順で何番目になるか」を答えさせる問題は、早稲田佐賀中学校でよく出題されるクイズ感覚の問題です。この場合、答えを出すのに時間が掛かりそうであれば、次の問題に移りましょう。時間配分も合否を分ける上での重要なポイントとなります。

2021年注目問題.2


〔3〕は「2024年から使用される新紙幣」を題材とした問題が出題されました。問題の内容は、日本銀行の働きや二千円札に描かれている守礼門に関する内容、新紙幣のモデルとなった渋沢栄一や津田梅子、北里柴三郎に関する内容、軽減税率についてです。どれも、教科書で一度は必ず教わる内容ですし、問題の難易度も基本から標準レベルですので、確実に取らなければなりません。

過去10年の単元別出題傾向


早稲田中学校の歴史は、通史として出題される割合が非常に高いです。よって、テーマ史毎に学習するよりも時代毎に区切って学習する方法にすると良いでしょう。

合格のために

早稲田中学校の合格へのカギは、地理(グラフ・統計資料の読み取りも含む)・歴史・公民(時事問題も含む)を満遍なく対策をすることです。また、早稲田中学校の入試問題は、漢字で習ったものは必ず漢字指定で書かせる問題が多いです。普段の学習から、漢字で書く癖を身につけておきましょう。加えて、設問を細部まで読み解く力(例えば、ふさわしくないものや誤っているものを答えるのか、正しいものをすべて答えるのかなど)も見極めながら正確に処理する判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2021年度入試分析

大問数は4、解答箇所は22と例年通りの出題で,生物,地学,化学,物理の各分野から大問が1題ずつ出題されている点も変わりありませんでした。いずれの問題も難問奇問の類の出題は無く,取り組みやすい問題だったはずです。解答形式は,記号選択問題と計算を伴う数値記入の問題が中心で,用語記入の問題が2問ありましたが,今年度は記述問題は出題されませんでした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題を示します。

〔1〕は「ふり子」の問題でした。ふり子の周期に関する基本的な問題ばかりでしたが,ふり子の等時性を発見した人物を答えさせる科学史の問題も含まれていました。一部表を読み取る際に注意が必要な問題もありましたが,テキスト等で基本を繰り返し学習した受験生には答えやすい問題ばかりでした。〔2〕は「光合成」に関する問題で,アサガオの葉,水草の光合成の実験を題材にした出題でした。実験の意図,実験操作の意味が理解できていれば難しくなかったはずです。

2021年注目問題


この問題は難しくない問題ですが,科学の手法が身に付いているかがわかる問題です。〔3〕は「金属の燃焼」に関する問題で,計算を必要とする問題を中心に構成されています。正しくデータを読み取り,正確に計算する処理能力が必要でした。この大問がもっともさのつく問題だったでしょう。〔4〕は「地震と大地の変化」の問題でした。ほとんどが基本的な知識を問う問題でしたが,問5の計算問題は,計算の力はそれほどでもなくても,問題文を読み取る力が必要な問題でした。

過去10年の単元別出題傾向


全分野もれなく基本知識を学習しておくことが必要です。複数回答も多いのであやふやな知識は使えず確かな知識を求められます。計算問題の難易度は高くはありませんが,条件を正確に把握し迅速に処理する練習が必要です。

合格のために

早稲田中の合格を勝ち取るためには
  1. 全分野の基本的な知識を確実にすること。
  2. 知識を組み合わせて考える練習をしておくこと。
  3. 計算問題を迅速に処理できるように練習すること。
  4. 問題文を速く正確に読み取る練習をすること。
難易度の高い問題は出題されていません。また,30分という試験時間を考えると,試験当日はじっくり考える時間はあまりありませんので,基本から標準レベルの問題をたくさん練習することに重きを置いた勉強を心掛ける必要があります。
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