入試分析
早稲田大学高等学院中学部
2022年度
早稲田大学高等学院中学部
(合判模試偏差値 72)
所在地:東京都練馬区上石神井
調査書・報告書の有無:有
面接の有無:有(受験生のみ・グループ)
予想合格最低点 250点/360点
早稲田大学建学の精神「学問の独立を全うし 学問の活用を効し 模範国民を造就する」に基づき、中等教育の基礎の上に高等学院、大学各学部へつながる前期中等教育を施す男子校。健やかな心身、高い知性、豊な感性を育み、社会に有為な人材を育成することを目的としている。また、中学部は早稲田大学の唯一の付属校として、早稲田大学の中核を形づくる意識を持った「早稲田人(ワセダマン)」を育成する。中学は1クラス30人の少人数編成で4クラスのみ。高入生も多く、高校からは1学年12クラスとなる。
2022年度入試情報
過去7年間の実質倍率(1次試験のみ)
国語
2022年度入試分析
大問数2題、小問数22題と、ほぼ例年通りの問題数でした。文章記述問題は大問一で2題(25文字・45文字)、大問二で1題(45文字)、合計3題出題され、これについても大きな変更はないと思います。説明文より物語文のほうが、文字数が多いというのも例年通りです。難易度の変更もなく、国語の学習をしっかり行い、過去問演習をこなしていた受験生にとっては挑みやすい問題だったのではないでしょうか。2022年注目問題
問題は( 1 )に当てはまる語を「三郎」「四郎」という語を用い、36時以上45字以内で会話文の空欄に当てはまる形で答えなさい。( 2 )に当てはまる語を本文中から5字で抜き出して答えなさい。( 3 )と( 4 )は当てはまる内容を選択肢から選ぶ、というものです。 私が注目したのは問題形式です。本文に対する生徒同士でしょうか、会話文が掲載されています。そこから問題が出題されています。この形式は想像以上に時間がかかり、二つの文章を理解しなければいけないので、手間もかかります。感覚的な難易度よりも正答率が落ちる傾向にあります。昨今の「思考力」「表現力」「判断力」を育てる教育、「読解力」を意識した教育という観点から出題が多くなっている形式です。早稲田高等学院でもこのような形式の出題がありました。このような形式にも慣れる必要があります。
過去10年の単元別出題傾向
算数
2022年度入試分析
制限時間50分・配点100点・大問4題・小問17題と、例年通りでしたが、問題文が長く、やや難しくなったイメージの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。今年は1の(1)は通常の四則計算でしたが、(2)からは、数の性質の基礎知識を利用して整理する問題が続きました。最初で戸惑うとタイムコントロールができなくなるので、標準レベルまでの数の性質の問題演習は必須です。徹底した問題演習でセンスを磨くと同時に、整数に関する様々な知識を身につけると効果的です。次に2は立体図形の切断の問題です。問題文をよく読み、決められた操作を理解し、問題文に沿って解き進めていく問題です。3は条件整理の応用問題です。問題文から条件を整理して思考を積み重ねる問題です。「例えば」と問題文中にある内容を正しく理解できるかどうかがポイントです。記述問題が含まれているので、普段から考え方や途中式は書く習慣を身につけておきましょう。4は速さの問題です。(1)は点が動くイメージが持てれば時間をかけずに解ける問題。(2)からは複雑な問題が続きます。問題文を自分なりに整理し、図やグラフに書き直して考えてみると解決の糸口が見えてきます。自分でじっくりと考える問題演習を行う勉強時間を確保しましょう。
2022年注目問題
2 立体図形の切断の問題です。手順を理解し正しくイメージできるかがカギとなります。丁寧に思考を積み重ねていくと正解にたどり着きます。日頃からの練習が必須です。
過去10年の単元別出題傾向
問題文が長いのが、早大学院の特徴です。文章をながめているだけでは難問は難問のままです。問題文から図やグラフを正確に書けるように練習しておきましょう。解く糸口がつかめ、正答率が上がります。
合格のために
早稲田大学高等学院中学部合格を勝ち取るためには- 高度な計算力を身につける。
- 単元学習は早めに終え、処理能力を磨く。
- 長文の問題に対応できるように、早い段階から時間をかけて進めておく。
社会
2022年度入試分析
2022年度入試では、大問数が例年の5題に、小問数も例年の40題に戻りました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早大学院合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。1は「日本の自然災害」を題材とした問題が出題されました。全ての設問が表や地図から読み取れることを答えさせる問題ですので、データを読み解く力があれば解ける問題です。2では「日本の水産業」に関する問題が出題されました。内容は、基本~標準レベルの問題ですので、確実に取らなければなりません。3は「大隈重信が述べた『裏日本』」を題材とした歴史問題が出題されました。中でも問10は、表を参考にして記述する問題が出題されているため、時間配分を意識して解かなければなりません。4は「オリンピック・パラリンピック」を題材とした問題が出題されました。設問の中には、「漢字で答えさえるものや誤っているもの」といった指定の問題が多いので、焦らずに落ち着いて解くことが必要です。5は「日本国憲法と現在施行されている法律の条文」から読み取る問題が出題されました。早稲田大学高等学院中学部特有の本文の中に隠されているキーワードから記述する力を必要としますので、多くの生徒が時間を費やしたのではないでしょうか。
2022年注目問題
過去10年の単元別出題傾向
早稲田大学高等学院中学部の歴史では、中世~現代を出題する割合が高いので、中世~現代までの流れはしっかりと把握しておきましょう。また、時事問題も他の早稲田系属校に比べて出題されやすいです。普段からニュースや新聞に目を通す習慣を身に付けましょう。
合格のために
早大学院の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすること。そして、ニュースや新聞等を見る習慣をつけ、常に日本や世界の情勢を把握しておくことです。また、早大学院は、他の早稲田附属校の中で記述問題の出題が多いです。そのためには、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をしておきましょう。理科
2022年度入試分析
大問は4つ,設問数は27でした。物理,化学,生物,地学から各1題ずつの出題は変わりません。化学は2分野の出題になっていた点も昨年同様でした。基本的な知識と,正確かつ迅速な計算力が必要とされた点も昨年までと同様でした。また,問題文や図からしっかり判断しなければならない問題もあり,理科の総合力が問われる出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。大問1は「生物のつながり」ついての問題でした。設問は種子の分類や消化,軟体動物など多岐にわたっていますが,基本的な知識を問う問題ばかりですので,普段の学習がおろそかになっていなければ解答に苦しむ問題はなかったはずです。
2022年注目問題
基本的な問題ですが,図示するとなるとひれの位置など正確に表さなければなりません。ていねいにノートを取る学習を心掛けたいですね。大問2は「天気」に関する問題でした。天気図を見慣れている生徒にとってはすぐに対応できた問題です。天気図を見かける機会は現在少なくなってきていますが,新聞の天気欄などを受験勉強に活用しましょう。大問3は「水溶液の性質」。塩酸に炭酸カルシウムと炭酸水素ナトリウムを加えたときの計算問題が中心でした。後半は「燃焼」の計算問題が出題されました。大問4では「ばね」の問題が出題されました。いずれも基本的な問題ばかりでした。基礎練習を繰り返し練習してきた受験生には容易だったはずです。
過去10年の単元別出題傾向
多少の出題頻度の違いはありますが,単元別の出題傾向は大きな偏りはありません。これは今後も同傾向と考えられます。
合格のために
早大学院の合格を勝ち取るためには、- 基本的な知識を完全にしておくだけでなく,幅広く「知る」ことを心がけること。
- 初めて見るような図やグラフを問題文のヒントを使って読み取る力を身に付けること。
- 基本から標準的な計算問題を速く解く練習を繰り返すこと。