早稲田大学高等学院中学部2021

入試分析

早稲田大学高等学院中学部
2021年度

国語

2021年度入試分析

  問数2題、小問数20題と、ほぼ例年通りの問題数でした。文章は短い論説文と長文の小説と、こちらも例年通りです。また、問題の形式も書き抜きと記号選択が中心となっており、記述は2題出題されました。

2021年注目問題


大人がみてもドキッとする問題かもしれません。選択肢にある言葉の意味を正確に把握している大人がどのくらいいるでしょうか。文章に出てきたときはなんとなく、前後の文脈で判断して言うかもしれません。子どもには少しハードルの高い言葉かもしれませんし、正確に意味を知っている受験生は少なかったかもしれません。意味を正確に知っていれば、エが正解だと分かります。仮に知らなかったとしても、今までア~オのことばを使った分を見たことがあればそれを思い出して意味を推測することができたかもしれません。言葉の意味にアンテナを高くすること、少し大人っぽい言葉を使っている文章を普段から読んでおくことを普段から心がけてほしいと思います。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2021年度入試分析

制限時間50分・配点100点・大問4題・小問15題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。問題数は少ないですが、基本から発展まで幅広く出題されるのが早稲田大学高等学院の特徴です。問題を見極めるハイレベルの思考力とタイムコントロールが合格への必須条件となります。

今年は1の①、②の計算の問題は、丁寧に考えて正解が必須。整理して書く練習が効果的です。(2)は面積の問題で長さと比がどうなっているのかを1つずつ確認していく事で解法が見つけられるはずです。(3)は円グラフを使った割合の問題。割合の基本的な考え方を問う問題です。円グラフは全体が360°であることを理解しておきましょう。2は水面の高さと、グラフの読み取りです。グラフを正確に読み取り、容器がどのように変化していくか、図に表しながら見つける必要があります。3は規則性の問題です。問題文を読んで理解し、規則を見つけるまでに時間がかかります。4は図形の集合問題。(1)は基本問題なので、図を見て解き方が浮かんでくることが理想です。時間をかけずに正解しましょう。(2)(3)は立体図形の問題です。図からイメージを正しく持ち、比を使いこなせることが必須です。文章に沿って図形を書ける為には,何度も図形を書いていく事が必要です。今年は易しい問題と、難解な問題がバランス良く配置されているので、時間の使い方が重要です。ハイレベルな実戦力と試験時間のコントロールが早稲田大学高等学院攻略のカギです。全範囲の基礎力を早い段階で完成させ、応用問題に挑戦しましょう。早稲田系の学校は思考を積み上げる問題の出題が多いので、時間をかけて解き方を自分でじっくりと考える問題演習を行う勉強時間を確保しましょう。

2021年注目問題

2 規則性の問題です。


過去10年の単元別出題傾向


問題文を丁寧に読み、条件を整理し、規則性をみつけるまでに時間がかかるので、ほかの問題を終わらせて取り組むなど、タイムコントロールをし見極めることが重要です。時間はかかりますが、与えられた図を使って整理していくことが得点へと繋がっていきます。早稲田大学高等学院の攻略のカギは問題処理能力です。それらを養うには全範囲の標準レベル以上の問題を一定時間で解けるようにじっくり読んで解く練習をすることです。その際に問題文中の内容を深く理解して,一つ一つ解明していくようにしていきましょう。まさに,文章読解のように行い,(1)で具体的にどうなっていくのかをかみしめながら行いましょう。問題文が長いのも、早大学院の特徴です。丁寧な観察と分析で解く糸口が見つかり,解けるようになっていくはずです。

合格のために

 早大学院合格を勝ち取るためには
  1. 分かるまで考え続けられる気持ちを持っている。
  2. 問題文が長くても一つ一つ丁寧に観察できる能力を持っている。
  3. 問題文の分析から論理的に考えられる能力を持っている。

社会

2021年度入試分析

2021年度入試では、大問数が例年の5題から6題へと増え、小問数が例年の40題前後から29題と少なくなりました。これは、資料や会話文・議論内容を読み取ったうえで記述させる問題が多くなったことに要因があると考えられます。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早大学院合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

1は「東京都・愛知県・大阪府の人口統計資料と日本の伝統的工芸品」を題材とした問題が出題されました。全ての設問が、表や地図から読み取れることを答えさせる問題ですので、データを読み解く力があれば解ける問題です。2では「日本の観光」に関する問題が出題されました。ここでの設問は、一部応用レベルの問題もありますが、多くは基本~標準レベルの問題ですので、確実に取らなければなりません。3は「条坊制とハンセン病」を題材とした歴史問題が出題されました。中でも問5は、本文全体を参考にして記述する問題が出題されているため、時間配分を意識して解かなければなりません。4は「歴代の内閣総理大臣」を題材とした問題が出題されました。設問の中には、「漢字で答えさえるものや誤っているもの」といった指定の問題が多いので、焦らずに落ち着いて解くことが必要です。5は厚生労働省がまとめた「自立支援に関する意識調査」から読み取る問題と会話文から読み取る記述問題が出題されました。1と同様、データを読み取る力と会話文の中に隠されているキーワードから記述する力を必要としますので、多くの生徒が時間を費やしたのではないでしょうか。

2021年注目問題


過去10年の単元別出題傾向


 早稲田大学高等学院中学部の歴史では、中世~現代を出題する割合が高いので、中世~現代までの流れはしっかりと把握しておきましょう。また、時事問題も他の早稲田系属校に比べて出題されやすいです。普段からニュースや新聞に目を通す習慣を身に付けましょう。

合格のために

早大学院の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすること。そして、ニュースや新聞等を見る習慣をつけ、常に日本や世界の情勢を把握しておくことです。また、早大学院は、他の早稲田附属校の中で記述問題の出題が多いです。そのためには、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をしておきましょう。

理科

2021年度入試分析

 大問は4つ(5分野)。解答個所は37でした。物理,化学,生物,地学から各1題ずつの出題はは変わりませんでしたが,化学は2分野の出題になっていました。基本的な知識と,正確かつ迅速な計算力が必要とされた点は昨年と同様でした。また,問題文や図からしっかり判断しなければならない問題もあり,理科の総合力が問われる出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

大問1は「電磁石」ついての問題でした。モーターと発電機の問題が中心でしたが,基本的な問題が中心で,普段の学習ができていれば解けない問題はなかったはずです。大問2は「植物のはたらき」に関する問題でした。見かけの光合成量と真の光合成量のちがいが理解できていれば,解答に苦労はしなかったはずです。二酸化炭素の吸収量と光合成量のどちらの数値を使うのかを題意から読み取る問題でした。

2021年注目問題



大問3は「地震」。設問は算数の速さの問題と同様の問題が中心でした。大問4では「物質の状態変化」と「水溶液の性質」の問題が出題されました。いずれも基本的な問題ばかりでした。基礎練習を繰り返し練習してきた受験生には容易だったはずです。

過去10年の単元別出題傾向


多少の出題頻度の違いはありますが,単元別の出題傾向は大きな偏りはありません。これは今後も同傾向と考えられます。

合格のために

早大学院の合格を勝ち取るためには、
  1. 基本的な知識を完全にしておくだけでなく,幅広く「知る」ことを心がけること。
  2. 初めて見るような図やグラフを問題文のヒントを使って読み取る力を身に付けること。
  3. 基本から標準的な計算問題を速く解く練習を繰り返すこと。
知識の丸暗記だけでなく,覚えた知識を利用できるよう,日ごろ意識して演習をし,さまざまな問題へ対応できるようにしておくことが大切です。 40分の試験時間では決して余裕がある問題ではありません。試験時間の使い方も練習していく必要があります。
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