早稲田大学高等学院中学部 2019年度入試分析

 

 

早稲田大学高等学院中学部 2019年度入試分析

早稲田大学高等学院中学部(統一合判偏差値:72)

2019年度入試情報
試験 入試日 性別 定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
筆記試験〔国・算・社・理〕
面接試験(受験生)
2/1 男子 120名 464名 3.87倍 429名 134名 3.20倍
過去6年間の実質倍率
2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
男子 3.20倍 3.20倍 2.71倍 2.59倍 2.61倍 2.84倍

2019年度入試の実質倍率は、昨年度と変わらない結果となりました。しかし、2020年度入試の予想偏差値が「72」に上がったことから、2020年度は若干の上昇があるのではないかと予想されます。早大学院は、早稲田で唯一の附属中学校で、特に文系最難関と言われる政治経済学部や法学部、理系の人気学部である基幹・創造・先進の理工学部に毎年多くの生徒を送り込んでいます。このように、早稲田大学の中でも人気の高い学部へ多くの推薦枠があるのがこの学校の特徴です。つまり、早大学院に合格することは、早稲田大学のこれらの学部に合格することとほぼ等しいと言えます。そのため、他大学に受験する必要はなく、早稲田大学に進学する生徒のみが集まる学校です。そのため、人気や入試の難易度も高くなっています。また、国語・算数が各100点・社会・理科が各80点と、他の早稲田系列の中学校に比べて社会・理科の配点が高いので、苦手が少なく4教科で万遍なく得点できる受験生が有利な学校と言えます。

 

各教科の特徴

 

国語

≪2019年度入試分析≫

問数2題、小問数30題と、例年通りの問題数でした。文章は論説文と小説でした。こちらも例年通りですが文章の分量が小説と論説文で同じくらいでした。また、問題の形式も書き抜きと記号選択が中心ですが、記述が2題出題された点が、例年と違います。例年は1題でしたので、増加しました。この傾向は続くと思われます。

内容としては、標準的なものです。問われていることは内容把握から、言葉の知識、空欄補充、接続詞等多岐にわたり国語の力全般が必要です。論述問題は40字以内のものが2題ですので、その点で例年より時間配分が重要だったかもしれません。難易度も非常に難しいものから簡単なものまでまんべんなく出題されています。だからこそ、易しい問題は確実に得点することが必要です。

小学生にとっては難しめの語彙が必要な問題も出題されています。「ゆかしい」などは小学生には難しい語彙ですので、普段から少し難しめの文章を読んでおくことが必要かもしれません。

 

≪2019年注目問題≫

知識事項の問題を大問二から二つ挙げました。

一つ目は反語表現を知っているかという問題です。小学生でも出来てほしい一方、分からない生徒もたくさんいるだろうというところを見事に出題しています。小学生にとっては少し背伸びをした難しい文章をどのくらい読んでいるか、また、読んだときに分からない表現をわかるようにしているかという普段の学習が問われています。

二つ目は国名の漢字表記を知っているかという問題です。漢字検定などではおなじみですし、社会の授業でも多かれ少なかれ触れていると思います。とはいえ、「西」など小学生にはちょっと難しい国(とはいっても、確実に社会では学習している国)が出題されており、他の強化も含めて漢字を理解して使っているかが問われている問題だと言えます。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

 

算数

≪2019年度入試分析≫

制限時間50分・配点100点・大問4題・小問14題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。問題数は少ないですが、基本から発展まで幅広く出題されるのが早稲田大学高等学院の特徴です。問題を見極めるハイレベルの思考力とタイムコントロールが合格への必須条件となります。

今年の1の問題は、数の性質を利用して整理する問題です。通分を約数を意識して練習をしているかを見る問題です。整理して書く練習が効果的です。(2)は面積の問題で長さや角度がどうなっているのかを1つずつ確認していく事で解法が見つけられるはずです。2は,辺の長さや角度がどうなっているのかを確認しながら,どうなっているのかを見つける必要があります。 その後の問題はルールが同じだと気付けば,簡単に解くことが出来ます。3はつるかめ算の状況把握の問題です。式を立てるだけでなく状況の確認と書きあげのルールを作る練習をしているかの確認と思われます。1以外の問題は,状況把握をどれだけ出来るか,文章をしっかりと読むことが出来ることが合格へのカギです。4は,文章に沿って図形を書ける為には,何度も図形を書いていく事が必要です。今年は全体的に難易度が上がり,パターン学習では厳しいものがあります。ハイレベルな実戦力と試験時間のコントロールが早稲田大学高等学院攻略のカギです。全範囲の基礎力を早い段階で完成させ、応用問題に挑戦しましょう。早稲田系の学校は思考を積み上げる問題の出題が多いので、時間をかけて解き方を自分でじっくりと考える問題演習を行う勉強時間を確保しましょう。

 

≪2019年注目問題≫

日ごろから式を立て、問題文の状況把握と書き出すルールを作る練習をしておくと、あせらずに落ち着いて取り組め、正解できた問題でした。

 

≪出過去10年の単元別出題傾向≫

早稲田大学高等学院の攻略のカギは問題処理能力です。それらを養うには全範囲の標準レベル以上の問題を一定時間で解けるようにじっくり読んで解く練習をすることです。その際に問題文中の内容を深く理解して,一つ一つ解明していくようにしていきましょう。まさに,国語の文章読解のように行い,(1)で具体的にどうなっていくのかをかみしめながら行いましょう。問題文が長いのも、早大学院の特徴です。丁寧な観察と分析で解く糸口が見つかり,解けるようになっていくはずです。

《合格のために》

基礎知識は早めに身につけたうえで

① 分かるまで考え続けられる気持ちを持つ。必ず正解にたどり着く。

② 色々な学校の長文問題を使って問題文を分析し、丁寧に観察できる能力を身につける。

③ ノートの考え方を式に書いて、論理的に考えられる能力を養う。

 

 

 

社会

≪2019年度入試分析≫

大問数5題で昨年度よりも1題少ないですが、小問数は41題と例年通りでした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早大学院合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

1は火山の噴火と被害の予測・対策についての問題が出題されました。問題は、標準レベルの内容で出題されていますので、受験生の大半が解けたのではないかと思われます。2では日本のエネルギー資源を題材とした問題が出題されました。設問の中には、地図から読み取れることを答えさせますので、地図に描かれている内容を読み解く力が必要です。3は国境を越えた人々の移動を題材とした歴史問題が出題されました。3は全ての大問の中で記述問題が多く出題されているため、時間配分を意識して解かなければなりません。また、問題の大半が基本~標準レベルですので、確実に取らなければなりません。4は歴史上の出来事と関係の深い場所を題材とした問題が出題されました。設問の大半は、「漢字で答えさえるものや誤っているもの・○番目にくるもの」といった指定の問題ですが、焦らずに落ち着いて解けば高得点は取れると思われます。

 

≪2019年注目問題≫

5は成人年齢に関する会話文の問題が出題されました。問1~問8までは、基本~標準レベルの内容で出題されていますので、受験生の大半が解けたのではないかと思われます。しかし、問9・問10の問題は、本文や設問の内容を参考にするだけではなく、自分なりに考えなければ解けない問題です。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

早稲田大学高等学院中学部の歴史では、中世~現代を出題する割合が高いので、中世~現代までの流れはしっかりと把握しておきましょう。また、時事問題も他の早稲田系属校に比べて出題されやすいです。普段からニュースや新聞に目を通す習慣を身に付けましょう。

≪合格のために≫

早大学院の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすること。そして、ニュースや新聞等を見る習慣をつけ、常に日本や世界の情勢を把握しておくことです。また、早大学院は、他の早稲田附属校の中で記述問題の出題が多いです。そのためには、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をしておきましょう。

 

 

理科

≪2019年度入試分析≫

昨年は6つの単元から出題されていたのに対して,今年は大問こそ4題と変わりませんでしたが単元が4つという出題構成に変わりました。小問は36題と昨年とほぼ同じでしたが,単元が少なくなったからか,若干の難易度の上昇が見られました。受験生にとっては解きづらい問題もあったはずです。計算を必要とする問題の割合もやや高く,正確かつ迅速な計算が必要とされました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

大問1は「植物のつくりと成長」ついての問題でした。植物に関する知識と対比実験の結果および設定について問われました。知識に関しては基本的なものだけではなく,植物に関する興味が差をつけたはずです。

大問2は「溶解度」に関する問題でした。前半は基本的な知識を問う問題で後半に溶解度の計算問題が出題されていました。計算問題も標準的な問題で,その点ではミスが許されない問題でした。

大問3は地層に関する問題で基本的な問題と作図を必要とする問題が組み合わせたものでした。問題の図の意味を正確に捉えることがやや難しかったのではないでしょうか。

大問4では「浮力」の問題が出題されました。計算力のみならず判断力が必要とされる問題でした。冷静に対応できれば,決して難しくない問題でしたが,問題を把握する力を含め総合力が問われていましたので,苦戦した受験生もいたはずです。

 

≪出題分野分析表≫

今年は出題構成が変わったため参考程度になりますが,今までの単元別の出題傾向は大きな偏りはありません。これは今後も同傾向と考えられます。

≪合格のために≫

早大学院の合格を勝ち取るためには,

1.基本的な知識を完全にしておくだけでなく,幅広く「知る」ことを心がけること。

2.初めて見るような図やグラフでも問題文の中にヒントが必ず含まれています。それを見落とさない力を身に付けること。

3. 基本から標準的な計算問題を速く解く練習を繰り返すこと。

覚えるだけではなく知識からさらに思考できるよう,日ごろ意識して演習をし,様々な問題へ対応できるようにしておくことが大切です。

40分の試験時間では決して余裕がある問題ではありません。試験時間の使い方も練習していく必要があります。

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