慶應義塾普通部 2020年度入試分析

 

 

慶應義塾普通部 2020年度入試分析

 

各教科の特徴

 

国語

≪2020年度入試分析≫

大問数3題・小問数30題と、ほぼ例年通りの問題数が出題されました。問題の形式も、記号選択問題、書き抜きの問題、記述問題と、例年通りの出題です。

≪2020年注目問題≫

設問の難易度は、易しい問題から高難度のものまで幅広く出題されています。特に、選択肢問題は難易度が高く作られています。細かい部分まで読みとって回答する必要があります。基礎問題、特に知識事項は正確に解答する必要があります。文章も長く、2020年の問題のように文章中に韻文がある場合もあるので、様々な文章に対応する力が必要です。今年は、係り受けの出題も見られました。難しい問題ではありませんが、「この分野は出ない」と決めつけずに受験勉強を進めることが大切です。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

 

算数

≪2020年度入試分析≫

制限時間40分・配点100点で大問9題・小問13題と、昨年とほぼ同数の問題数でした。問題難易度は例年同様といった感じですが、昨年度に比べ、条件整理や場合の数など、分析力や処理能力を問われる問題の出題が目立った印象です。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。慶應義塾普通部は40分という制限時間内に基本的な易しい問題と、時間がかかる複雑な問題が混在しており、タイムコントロールが合格するための絶対条件です。

まず、1.の2題の計算問題は「計算の工夫」をして短時間で解く問題です。2.はベン図や表を書いて整理するとわかりやすいです。3.の平面図形の問題は、求める比をどのような手順で導き出すかを、直ぐに思いつくか否かで時間の使い方が変わってしきます。ここで無計画に時間をかけてしまった受験生は後半の問題を解く時間が足りなくなったと思われます。 4.の流水算は、条件を読み取って整理していくと①はすぐに正解できます。②はグラフや情景図で整理するとよいでしょう。5.は数の性質の短時間で解けるサービス問題です。6.は与えられた図の、どの部分が同じ長さか、図に書き込んで考えると糸口が見つかります。今年の特徴ですが、7.、8.、9.と後半の大問3題に、条件整理をして書き出しつつ問題を解く糸口を探る問題が続きました。いずれもどこかで見たことがあるような典型的な問題です。条件を読みとばさずに、書き出す練習をしておくとよいでしょう。ここでは時間をかけず正解を出したいところです。この後半3題は時間をかけると正解できる問題ですが、それでは40分という時間の壁は破れません。問題文を正確に読み取り、条件を整理し、スピーディーに解く練習をして処理能力をつけるのが合格点をたたき出すカギとなります。

 

≪2020年注目問題≫

7.頂点の種類に注目して整理して解く問題です。

辺を除いて種類ごとに何本引けるか整理していくことが正解へのカギです。効率的に整理していきましょう。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

≪合格のために≫

慶應義塾普通部の合格を勝ち取るためには

1 高度な計算力を身につける。

2 基礎力は早目に完成させる。

3 ランダムな問題集で時間を短めに設定し、スピーディーに解く練習を行う。

4 場合の数や条件整理は典型問題を解きこむ。

5 立体図形の切断や展開図からのイメージを正しく持てる練習を行う。

 

投影図や展開図を使った問題はよく出題されます。問題文から、正しくイメージが持てるような問題演習を行い、準備しておくと、混乱しないで正解できます。

 

 

社会

≪2020年度入試分析≫

大問数6題・小問数32題とほぼ例年通りです。どの問題も丁寧に読み取らなくてはならない問題が出されており、問題量を考慮すると、制限時間30分内で処理するのは至難の業です。つまり、スピード力と状況判断力が必要である問題であると言えます。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應普通部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

1)は地形図の読み取りが出題されました。慶應普通部が地形図の読み取りを出題するのは、過去10年で初めてのことですが、問題の難易度は基本~標準レベルですので、確実に取れたのではないかと思われます。2)は「日本のある時代の特徴的な遺跡」を題材とした問題が出題されました。中でも5の問題は、ある遺跡を真上から見た様子を作図する問題が出題されました。この問題で30秒以上考えても答えが出てこないのであれば、その問題は飛ばしましょう。上記でも記載した通り、慶應普通部の試験時間は、30分という短い時間で全部の問題を解き、見直しまで終了しなければなりません。5は、時間配分を自分で考えて解く上で良い問題であると思われます。3)は「世界三大穀物(米・小麦・とうもろこし)」を題材とした問題が出題されました。この問題の難易度も基本~標準レベルの問題ですので解けるはずですが、一部グラフや表から読み解く問題が出題されていますので、データや資料の読み取りが苦手な受験生にとっては、苦戦した問題であるといえます。4)は「日本に来日する外国人観光客や在留外国人」を題材とした問題が出題されました。一部応用レベルの問題が出題されていますが、問題の大半は傍線部やカッコの前後にヒントとなるワードが隠されていますので、さほど難しくはありません。5)は「コンビニエンスストア」を題材にした問題が出題されました。問題を見ると、大人なら実際に体験している・見ているので、答えられるかもしれません。ですが、子ども達からすると、そこまで意識してコンビニエンスストアで買い物をしていませんので、知らなければ答えることは難しいでしょう。是非、この機会にお子様がコンビニエンスストアで何か商品を買いに行く際は、意識させてみては如何でしょうか。

 

≪2020年注目問題≫

6)は「天皇の地位と国事行為」についての問題が出題されました。問題の難易度は、基本~標準レベルの問題ですので、受験生の多くは正解することが出来たのではないかと思います。

≪過去10年の単元別出題傾向≫

慶應義塾普通部社会の歴史は、テーマ史ではなく原始~現代までの通史を出題する割合が高いです。また、公民では、統治分野を出題する割合が高いです。特に、経済は苦手としている生徒が非常に多いので、他のライバルと差をつけたいのであれば、早期に対策をすることをお勧めします。

≪合格するために≫

慶應普通部の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすること。そして、3)で出題されたように、最新の統計資料・グラフ(特に地理分野に関係するもの)なども目を通しておくことが必要です。また、慶應普通部は、他の慶應附属校の中で記述問題の出題が多いです。そのためには、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をしておきましょう。

 

 

 

理科

≪2020年度分析≫

今年度は大問数5,解答箇所36と,昨年と比べ大問数は1つ増えましたが,これは一昨年の形式に戻った形です。解答箇所はほぼ同数でした。30分という試験時間を考えると易しい試験ではありません。出題レベルは基本的なものから標準的なものがほとんどでしたが,計算問題,記述問題および図示して答える問題も出題されていました。記述問題は毎年ように出題されています。また,図示する問題は昨年に続き出題されました。今後,記述に併せて図を描く練習も必須です。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

問1は「ふり子の運動」の標準的な問題でした。書かれている実験データが多いため処理が大変そうに感じますが,そのようなことはなく,基本的なふり子の知識を持っていれば解答することはさほど難しくはなかったはずです。問2は「天体総合・時事問題」でした。恒星の名前や月の見え方などの基本的な問題と並んではやぶさ2やノーベル賞の時事の問題が見られました。また,地球上にある月の石の問題も含め宇宙への興味が試される出題でした。

 

≪2020年注目問題≫

問3は「もののとけ方」の問題でした。砂糖の溶解度の計算問題で,テキストや問題集にあるような問題を繰り返し練習していた受験生にとって対応は容易だったでしょう。問4は「恐竜」を題材にした出題でした。2019年に新種と認められたむかわ竜(カムイサウルス)に関する問題でした。新聞などの情報にアンテナが張られているか,またその情報に普段の学習がリンクしているかが問われているようです。問5は「エノコログサ」。エノコログサ及びイネ科の植物の特徴についての問題でした。基本的な問題ばかりですが,エノコログサの名前の由来や別名を問う問題などは慶應らしい問題といえるでしょう。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

生物領域は得意にしておかなければなりません。幅広い知識の獲得に努めるようにしましょう。また,他の領域も苦手単元を作ると黄色信号が灯ります。まんべんなく知識,解法を習得するようにしましょう。

≪合格のために≫

これまで見てきた通り,慶應義塾普通部の理科の入試問題には難問はほとんど見当たりません。しかし,「実際に使える生きた知識」,「身の回りの生物や現象への関心と理解」そしてなにより「科学への興味」が,当校の受験準備には不可欠です。また,その上で出題傾向に即した十分な対策が,合格を勝ち取るためには必須です。