慶應義塾普通部 2019年度入試分析

 

 

慶應義塾普通部 2019年度入試分析

慶應義塾普通部(統一合判偏差値:74)

2019年度入試情報
試験 入試日 性別 定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
筆記試験〔国・算・社・理〕
体育実技・面接試験(受験生)
2/1 男子 180名 614名 3.41倍 594名 180名 3.30倍
過去6年間の実質倍率
2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
男子 3.30倍 3.11倍 2.87倍 3.04倍 2.68倍 3.09倍

慶應普通部の実質倍率は、昨年度予想した通り、2019年度も上昇しました。これは、昨今の附属校人気の再燃が影響していると言えるでしょう。この点を踏まえると、2020年度入試更に上昇すると思われます。慶應普通部の入試問題は、4教科全て100点満点ですので、苦手教科が1教科でもあると致命傷になると思われます。また、入試の難易度は、各教科、基本から応用レベルまで幅広く出題されています。ですから、基本的な内容も疎かにせず、広い範囲に対応できる実力を身につける必要があります。また、慶應普通部特有の出題(特に社会の日常生活に関する問題)に注意が必要です。まずは、子どもが日常生活の中で様々な事物に好奇心を持つこと。そして、それに大人も関心を示し、一緒に考える習慣持つことが必要です。

 

各教科の特徴

 

国語

≪2019年度入試分析≫

大問数3題・小問数34題と、例年通りの問題数が出題されました。問題の形式も、記号選択問題、書き抜きの問題、記述問題と、例年通りの出題です。慶応らしく「ことば」に対するセンスが必要な問題です。意味をしっていることは当然として、使い方まで問われることがあります。単純な意味を知っているうえでこの場面ではどのような状況で使われているか(大問二問八)まで判断する必要がある問題もあります。

論述問題も必須で、20~30字のものが多いですが、過去には文字数指定がないものも出題されたこともあります。また、韻文が出題された年もあるので、山を張らず国語の力をつけていくことが必要です。

漢字も熟語から出題されたり、同音・同訓の単語がたくさんあるものを問うたりなど工夫されています。短文とはいえ、意味を把握して回答する必要があります。

難易度の低い問題は確実に得点し、その上で難易度の高い問題で勝負が決まります。合格のためには単純に問題を解くだけでなく、ひとつひとつのことば、文、設問の意味まで理解しながらのレベルの高い勉強が必要だといえます。

 

≪2019年注目問題≫

漢字の書き取りを問題例として挙げました。合格を目指すなら全問正解したいところです。ただし、よく見てみると、間違えやすい問題がそろっていることがわかります。

「きざむ」などは「刻」「核」などいかにもミスしそうですし、「きちょう」などはよく考えないとなんのことか判断ができません。文章を読んで、情景を思い出しながら意味を考えられているでしょうか?漢字練習一つとっても、ただやみくもに漢字を書くだけでは得点に結びつかないものです。

ぜひ、塾の先生に漢字の練習の仕方を教わってください。漢字練習一つでもいろいろなことがわかると思います。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

 

 

算数

≪2019年度入試分析≫

制限時間40分・配点100点・大問9題・小問15題と、昨年より大問数が1題減りましたが小問数が2題増え、全体的には例年通りのボリュームとなっています。問題難易度は昨年度に比べ、やや易しくなった印象です。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。慶應義塾普通部は40分という制限時間内に基本的な易しい問題と、時間がかかる複雑な問題が混在しており、タイムコントロールが合格するための絶対条件です。

まず、1.の2題の計算問題は時間をかけずに正解しましょう。今年は2.、3.、4.の数の性質、食塩水、速さの問題は基本レベルの問題です。また5.の平面図形の問題は正確に数えると正解できるいわゆるボーナス問題。ここまでで受験生に得点差はあまりつかなかったと考えられます。6.の平面図形の面積と長さの問題は①は基本問題。②は与えられた図をよく見ると、解き方のヒントが表示されています。見つけられたら時間をかけずに正解できる相似の問題。7.の立体図形の切断の問題も相似の典型的な問題です。解法はよく使われるものなので、しっかり練習しておくとよいでしょう。ここでは時間をかけず正解を出したいところです。8.の場合の数の問題は時間をかけると正解できる問題ですが、それでは40分という時間の壁は破れません。問題文を正確に読み取り、条件を整理し、スピーディーに解く練習を、目標時間を自分の実力より少し短く設定し、繰り返し練習して処理能力をつけましょう。9.の展開図の問題は、立方体の展開図の問題でした。

 

≪2019年注目問題≫

立体図形の展開図の問題です。各頂点に記号を書いてイメージすると解きやすくなります。

投影図や展開図を使った問題はよく出題されます。問題文から、正しくイメージが持てるような問題演習を行い、準備しておくと、混乱しないで正解できます。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

≪合格のために≫

慶應義塾普通部の合格を勝ち取るためには

1 高度な計算力を身につける。

2 基礎力は早目に完成させる。

3 ランダムな問題集で時間を短めに設定し、スピーディーに解く練習を行う。

4 立体図形の切断や展開図からのイメージを正しく持てる練習を行う。

 

投影図や展開図を使った問題はよく出題されます。問題文から、正しくイメージが持てるような問題演習を行い、準備しておくと、混乱しないで正解できます。

 

 

社会

≪2019年度入試分析≫

大問数6題・小問数26題とほぼ例年通りです。出題内容も地理分野が2題、歴史分野が3題、公民分野が1題と万遍なく出題されています。さらに、どの問題も丁寧に読み取らなくてはならない問題が出されており、問題量を考慮すると、制限時間30分内で処理するのは至難の業です。つまり、スピード力と状況判断力が必要である問題であると言えます。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應普通部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

1)は日本の司法・地方自治・選挙についての問題が出題されました。どの問題も、テキスト等で必ず書いてある内容・塾で習ったことのある内容ですので、落としてはいけません。どの受験生も恐らく全問正解することが出来たのではないかと思います。

 

≪2019年注目問題≫

2)は世界地図や世界の国々についての問題が出題されました。慶應普通部で世界地理が出題されたのは、5年ぶりのことですので、多くの受験生が戸惑ったあるいは、多くの時間を費やしたのではないでしょうか。問題の難易度も応用レベルが多いので、30秒以上考えても答えが出てこないのであれば、その問題は飛ばしましょう。上記でも記載した通り、慶應普通部の試験時間は、30分という短い時間で全部の問題を解き、見直しまで終了しなければなりません。2)は、時間配分を自分で考えて解く上で良い問題であると思われます。

3)は日本の5つの県についての問題が出題されました。この問題は、1がそれぞれどの県なのかが分からなければ、2以降の問題が解けないような感じがしますが、問題に掲載されている資料を読み解けばどの県であるか判明できるようになっていますので、焦る必要はありませんが、資料の読み取りが苦手な受験生にとっては、苦戦した問題であるといえます。4)は弥生時代から鎌倉時代までに起こった出来事についての問題が出題されました。5)は歴史上の人物についての問題が出題されました。どちらも傍線部やカッコの前後にヒントとなるワードが隠されていますので、さほど難しい問題ではありません。6)は明治時代の文明開化と改暦についての問題が出題されました。2018年は、明治維新から150年となる節目の年であり、天皇の御退位と御即位に関する話題が新聞やニュースで多く取り上げられていましたので、元号や改暦に関する問題が出題されることは、十分に予測がつくと思います。2019年度入試では、元号に関する問題が出題されませんでしたので、2020年度入試では出題される恐れがあります。元号に関する内容は、早期に把握しておく必要があります。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

慶應義塾普通部社会の歴史は、テーマ史ではなく原始~現代までの通史を出題する割合が高いです。また、公民では、統治分野を出題する割合が高いです。特に、経済は苦手としている生徒が非常に多いので、他のライバルと差をつけたいのであれば、早期に対策をすることをお勧めします。

≪合格するために≫

慶應普通部の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすること。そして、3)で出題されたように、最新の統計資料・グラフ(特に地理分野に関係するもの)なども目を通しておくことが必要です。また、慶應普通部は、他の慶應附属校の中で記述問題の出題が多いです。そのためには、普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をしておきましょう。

 

 

 

理科

≪2019年度分析≫

今年度は大問数4,解答箇所42と,昨年と比べ大問数は1つ減りましたが,解答箇所はほぼ同数でした。30分という試験時間を考えると易しい試験ではありません。出題レベルは基本的なものから標準的なものがほとんどでしたが,やや複雑な計算問題,記述問題および図示して答える問題も出題されていました。記述問題は過去4年は毎年出題されていますが,図示する問題はここ10年で初めてです。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

問1は「いろいろなグラフ」に関する問題でした。実験や観察の結果をグラフにまとめたとき,どのような形のグラフになるかを意識した勉強をしていなかった受験生には難しい問題に感じたかもしれません。問2は「火山」についての問題でした。地形図や柱状図から的確な判断力が求められています。また,3.と5.の記述問題は記述の練習のみならず,一歩ふみこんだ思考ができなければなりません。問3は「音の伝わり方」の問題でした。設問自体はそれほど難易度は高くないのですが,問題文やグラフ,図から条件を正確にとらえ,対応しなければなりませんでした。問4は「かいぼり」を題材にした生物総合の問題でした。かいぼりはテレビ番組でも取り上げられているのですが,興味を持ってその番組を見ていた受験生にとっては答えやすい問題ばかりでした。

 

≪2019年注目問題≫

3.は外来生物が解答になります。かいぼりの目的の一つがもともとその場所にいなかった生物を取り除き,従来の生態系を取り戻すことであることを考えれば,すぐに判断できたはずです。メダカ,スッポン,カワセミ,タニシは在来種です。4.は食物連鎖を考えられれば解答できます。アメリカザリガニとオオクチバスが捕食する生物ですからメダカになります。問2が図示して答える問題です。こん虫の図は,描くのは難しくはないと思いますが,問題文の中にたくさんの指示が出ています。その指示に忠実に,また不足することなくこたえなければなりません。問題文を読むことは基本中の基本ですが,早実の入試でも当たり前のようにしなければなりません。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

生物領域は得意にしておかなければなりません。また,他の領域も苦手単元を作ると黄色信号が灯ります。まんべんなく知識,解法を獲得するようにしましょう。

≪合格のために≫

これまで見てきた通り,慶應義塾普通部の理科の入試問題には難問はほとんど見当たりません。しかし,「実際に使える生きた知識」,「身の回りの生物や現象への関心と理解」そしてなにより「科学への興味」が,当校の受験準備には不可欠です。また,その上で出題傾向に即した十分な対策が,合格を勝ち取るためには必須です。

 

 

 

体育実技

①片足跳び(左右2回ずつを繰り返し10回行う)

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

②ボールを上に投げて、前と後ろで1回ずつ手を叩いてキャッチ×2回

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

③ステップ運動

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

 

面接試験

・面接は受験生のみ実施
・面接官は3名
・1対1の面接だが、1人ずつ面接官が移動して質問を行う形式
(質問は面接官1名が1問ずつ)
※詳細は、下の図をご参照下さい。

慶應義塾普通部 2018年度入試分析

【質問内容】

・慶應普通部に入学したら、楽しみにしている事は何か?

・これまでに行ったことのある場所で印象に残っている事は何か?

・この1週間で行った事は何か?

・慶應普通部に受験しようと思ったきっかけは何か?

・労作展には、どんな作品を展示したいか?(その理由も含めて)

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