慶應義塾中等部 2019年度入試分析

 

 

慶應義塾中等部 2019年度入試分析

慶應義塾中等部(統一合判偏差値 男子:74/女子:78)

2019年度入試情報
試験 入試日 性別 定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
1次試験
国・算・社・理
2/3 男子 140名 991名 7.08倍 870名 354名 2.46倍
女子 50名 511名 10.22倍 388名 133名 2.92倍
2次試験
体育・面接
(保護者同伴)
2/5 男子 140名 1次合格者 271名 170名 1.59倍
女子 50名 1次合格者 126名 54名 2.33倍
過去6年間の実質倍率(1次試験のみ)
2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
男子 2.46倍 2.47倍 2.09倍 2.20倍 2.04倍 1.94倍
女子 2.92倍 2.92倍 2.75倍 2.39倍 2.54倍 2.31倍

2019年度入試の実質倍率は、昨年度とほぼ同じ状況でした。2020年度入試でも同じ傾向もしくは更に上昇する傾向にあると思われます。また、統一合判の2020年度入試予想偏差値が「78」となりました。これは、首都圏にある全中学校の中でも最上位に位置するようになりましたので、慶應中等部を志望する女子にとっては、更に合格が難しくなったと言えます。2019年度入試の問題難易度は、例年と同様にやや易しめの問題であるため、失点は許されません。さらに、試験時間が短く問題数も多いため、時間配分を考えて解かなければなりません。大手の進学塾で成績優秀者が軒並み不合格になっていますが、慶應中等部特有の問題対策を行っていないからであるといえます。以上の事から女子は、4教科の合計点数が8割5分から9割の正答率が無ければ、1次試験合格は難しかったのではないでしょうか。その反面、男子は4教科の合格点数が8割以上あれば1次試験合格出来たと思われます。

 

各教科の特徴

 

国語

≪2019年度入試分析≫

大問数は例年通り5題、小問数は35題と例年通りのボリュームです。問題の構成は、小説文(約3400字)、随筆文(約2900字)、説明文(約370字)、知識(熟語、漢字の筆順)、漢字の書き取りの順です。例年同様に、記号選択問題が中心ですが、出題傾向として変化した点がありました。それは、記述問題と書き抜きの問題がそれぞれ一題ずつ出題されたことです。記述問題と書き抜き問題が同時に出題された年度は、今年度が初めてです。来年以降もこの傾向が続く可能性が高いため、記述と書き抜きの練習も欠かせません。

知識問題で、言葉の意味がそのまま問われることがあります。語彙力の強化も必要です。漢字は、今年は15題の出題でした。多少の増減はありますが、15~20題出題されています。確実に満点というのはなかなか難しいかもしれませんが、満点を目指して練習をしてください。

 

≪2019年注目問題≫

空欄に当てはまる語を選ぶ問題です。このほかにも慶應中等部らしい「ことば」にこだわった問題がたくさん出題されています。単純に言葉の意味を辞書で覚えるだけでなく、日常生活の中で言葉に気を付けているか、伝統の中で言葉に気を付けているかということが問われています。

机に向かう受験勉強が必要なのは言うまでもありませんが、それだけではない多角的な経験や思考が問われている問題です。これが「慶應中等部らしい」国語の問題です。

可能ならば、小5くらいからそのようなことを意識して生活しているだけで、結果は大きく変わるものと思われます。普段の国語の学習の延長線上で対策はできますし、その対策が非常に効果的な学校であるといえます。

 

≪過去10年間の単元別出題傾向≫

 

算数

≪2019年度入試分析≫

大問数は7題。小問数は20で,例年通りでした。難易度も基本問題が中心で,この点も例年と変わりありません。今年も「ミスなく,素早く,確実に」解くことができたかの高得点の戦いとなりました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

【1】は「四則計算,逆算,場合の数,倍数算」。計算問題2問と簡単な一行問題2問です。【2】は「整数の性質,旅人算,時計算,濃度算」の基本的な文章題が1問ずつ出題されていました。【3】】は「相似,角度,図形の回転移動」。この図形小問も基本的なものばかりです。合格のためには【1】~【3】は全問正解が必須です。【4】は「速さと比」の問題。問題集などで必ず一度は見たことがある問題です。【5】は「体積」の基本問題。相似を上手に使って計算できれば迷うことのない問題です。【6】の「点の移動」の問題は,図形の性質がよく理解できていないと時間がかかってしまったかもしれません。【7】の「条件整理」の問題は問題文の把握と場合分けが効率よくできないと,得点が難しい問題です。

 

≪2019年注目問題≫

≪過去10年の単元別出題傾向≫

頻度の差は多少ありますが,出題されない単元はありません。まんべんなく練習し,不得意な単元は作らないようにしましょう。

 

≪合格のために≫

慶應義塾中等部の算数攻略のカギは,速く正確に解く力と試験時間の使い方に長けていることです。そのためには,基本レベルから標準レベルの問題を繰り返し練習し,正確さと時間感覚を身に付けるようにしましょう。問題全体を見渡しても難易度の高い問題はほとんどありません。受験勉強では,無駄に難しい問題に時間を使うのではなく(まったく扱わないのでは困りますが),標準レベルの問題を速く正確に処理する練習に重点を置くことが効果的です。

 

社会

大問数は7題、小問数42題は例年通りです。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應中等部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

今年度の社会は、以下の3点が特徴として挙げられます。

①記述問題が1題から4題に増えたこと。

②【7】は、グラフを読み取ったうえで、記述させる形式になったこと。

③例年出題されている「生活知識に関する問題」が今年度も出題されなかったこと。

特に③の「生活知識に関する問題」は、例年の地理・歴史・公民+αの問題に代わる新たな「慶應中等部らしい社会の問題」として今後も出題されると思います。

次に、大問毎の問題を見てみましょう。【1】では、日本の国土や自然に関する問題が出題されました。どの問題も、テキストや資料集で必ず目にする内容ですので、確実に正解しておけなければなりません。【2】では、幕末から明治時代の出来事と人物に関する問題が出題されました。2018年は、明治維新から150年となる節目の年でしたので、明治時代に関する内容はどの中学校でも出題されました。どの問題もヒントとなるキーワードが本文に書かれていますので、さほど難しくはありません。【3】では、歴史的出来事と年号(元号)に関するが出題されました。この問題は、天皇の御退位と御即位に関する内容が新聞やニュースなどで連日報道されていましたので、入試問題として出題されると予想がつきます。問題の難易度も基本レベルですので、設問の前後をしっかりと読めば確実に取れる問題です。【4】では、歴史的建造物に関する問題が出題されました。この問題は、慶應中等部の社会では定番の問題ですので、普段の学習からしっかりと対策をしていた受験生にとっては、有利だったと思います。【5】では、戦後の出来事に関する問題が出題されました。この問題の難易度は基本から標準レベルの内容ですので、確実に正解しておかなければなりません。

 

≪2019年注目問題≫

【6】では、2018年に開催された国際競技大会に関する問題が出題されました。2018年は平昌(ピョンチャン)オリンピックとロシアワールドカップが開催された年の入試問題は、時事問題と世界地理の複合問題として出題する割合が高いので、【4】と同様、対策している受験生にとっては有利だったと思います。ただし、問7のような問題は、自分が出来る「おもてなし」について記述させる問題や、【7】の「食品ロス」について記述させる問題は、2018年度入試で出題された【7】の記述問題を踏まえた上で自分なりに対策をしていなければ解けない問題です。まず、この問題を初見で見た時に、多くの受験生は残り時間から逆算して、どのくらいの時間を費やせるのかを考えて解いたのではないでしょうか。ですが、問われている内容は難しくはありませんので、必ず何かしら書くこと重要です。この問題は昨年と同様、最後に「解答欄の枠内おさまる程度で述べなさい。解答する時には、解答欄からはみ出さないように気をつけましょう。」という決まりがあります。これは、文章を要約する力・字の大きさ・字の丁寧さを見るためでもありますので、普段の学習からこの3点を心掛けて取り組む必要があります。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

慶應義塾中等部の公民は、統治分野(国会・内閣・裁判所)の出題割合が高いです。特に国会は、過去に3年連続で50字記述の問題が出題されています。また、衆議院議員総選挙・参議院議員通常選挙が実施された年は、入試問題として出題されています。そして2019年は、参議院議員の通常選挙がありますので、2020年度入試に出題される可能性が十分高いです。以上のことから、国会と選挙が苦手な場合は、早期に対策をしましょう。

≪合格のために≫

慶應中等部の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることや日頃からさまざまなことに意識しておくことです。今回の問題で言えば、「食品ロス」について知っていること、思っていることについて記述させる。家庭以外で出ている「食品ロス」の原因を記述させています。つまり今、日本や世界で起きている問題を日常生活で起きている問題に置き換えて出題しています。こういった問題は、机上の勉強で身につくものではありません。塾のテキストに頼った勉強方法では合格点を稼ぐことは出来ないといえるでしょう。そして、今年度では出題されなかった「日常生活に関する問題」を実際に体験することも必要です。ご家庭内で日本の風習や習慣をお子様に教えてあげることに加えて、専門の対策ができる個別指導での学習が必要であると思われます。

 

 

理科

≪2019年度分析≫

今年度は大問数は5題。小問数は25で,解答箇所は29。例年とほぼ変わりませんでした。出題形式では例年答案は数字のみを記入する形式でしたが,漢字を書かせる出題が2箇所ありました。しかし答えは平易な漢字であり,今後の学習方法に影響はないと思われます。出題内容は例年以上に難問がなく,【4】⑷の文章がやや難解であった程度でしょう。今年も「ミスなく,素早く,確実に」解くことが求められました。以下に設問ごとの難易度を示します。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題です。

【1】は「太陽の動きと気象」。平易な問題です。【2】は「気体の発生」。頻出の内容を理解できていれば対応できる問題でした【3】は「川の流れ」。川幅を考慮すれば流れの速さも迷わず対応できます。【4】は「光合成」。⑷は「夜の間でも電灯の光ででんぷんが作られるかどうか」の実験なので,夜の間だけ光を当てているものといないものを選択することがわかります。【5】は「水圧と電気」。グラフの理解,問題設定でのそれぞれの違いをしっかり理解することが大切でした。図にすると理解がしやすくなります。

 

≪2019年注目問題≫

全体を通して見て,例年と比べても特に平易な問題でした。問題文やグラフの読み取りがやや難解な箇所がありますが,それらも例年と比べると平易です。本年は慶應らしい身の回りの現象などを問う問題は見られませんでした。苦手分野を作っていなかったこと,文章やグラフの理解力が問われた問題でした。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

植物や生物,天体などやや偏りが見られるものも,全ての範囲を学習しましょう。難度の高い問題は少なく,短い試験時間の中で正しい知識を素早く使えることが求められます。観察や実験を含む問題が多く出題されます。図やグラフがよく使用されるのでしっかり対策しましょう。

≪合格のために≫

これまで見てきた通り,慶應中等部の合格を勝ち取るためには,

1.基本的な知識は素早く確実に使えるようにすること。

2.図やグラフを読み取る力を養成すること。

3.身の回りの現象に興味を持つこと。

生活の中やニュースなどで見られる現象に普段から関心を持てているかを求められることがあります。旬の食べ物や季節の変化などにも目を向けることが大切です。

 

 

 

体育実技

・体育実技は着替え時からスタート
※運動着や運動靴に着替える時は、袋を持参するとよい。
着替え時、先生は服をしっかりとたたんでいるかを見ている。

・体育実技はグループ別に実施(4人1組)

 

実技内容

①縄跳び(床に記載された「×」の上で跳ぶ)

・最初は後ろ跳び以外の以外で好きな跳び方を行う。

・その後、後ろ跳びを行う。

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

【1回目】片足跳び                               【2回目】後ろ跳び

 

 

②真ん中の枠に片足を入れて戻る。再度走って奥の枠に片足を入れて戻る。

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

 

③ドリブルサッカー(8の字ドリブル)

※詳細は、下の図をご参照下さい。

 

④ボールを上に投げて、前と後ろで1回ずつ手を叩いてキャッチ

※実際に受験した生徒のイラストをご参照下さい。

面接試験

・保護者同伴面接のみ(面接官は4人)
※詳細は、下の図をご参照下さい。

慶應義塾中等部 2018年度入試分析

質問内容

≪受験生への質問≫

・受験番号と名前

・慶應中等部を志望した理由

・展覧会に来た回数と印象に残っていること

・受験が終わったら何をしたいか?

・お父さんとお母さんに点数をつけてください。(理由も含めて)

・体育実技に関しての感想

・慶應中等部に入ったら何をしたいか?

・お正月は何をして過ごしたか?

 

≪保護者への質問≫

・今日の子どもの様子は、普段と比べてどうか?(父のみ)

・子どものしつけや教育について(父のみ)

・子どもの長所と短所について(母のみ)

・子どもを中等部に入学させたら、何をさせたいか?(父のみ)

・中学受験を始めた理由(父のみ)

・子どもの交友関係について(母のみ)

・子どもを叱るときはどんな時か?(母のみ)

・子どもを褒めるときはどんな時か?(父のみ)

※面接官は、父親に多く質問をするので、しっかりと対策をしておく必要がある。

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