慶應義塾中等部 2020年度入試分析

 

 

慶應義塾中等部 2020年度入試分析

各教科の特徴

 

国語

≪2020年度入試分析≫

大問数は例年通り5題、小問数は44題とほぼ例年通りのボリュームです。問題の構成は、小説文(約3400字)、随筆文(約2300字)、知識(ことわざ、慣用句、故事成語)、知識(熟語)、漢字の書き取りの順です。近年良く出題される日本語についての知識が今回も出題されており、ひらがな表記のしかたと発音から日本語を考えるというものでした。近年話題になっている間違った敬語・ことばの使い方も過去には出題されています。言葉の意味・使い方に敏感になる必要があると言えるでしょう。

≪2020年注目問題≫

また、知識問題も『側近』『成長株』『直談判』 など、語彙力が試される問題が出題されていますので、語彙の強化も必須です。

 

≪過去10年間の単元別出題傾向≫

算数

≪2020年度入試分析≫

制限時間45分・配点100点・大問7題・小問20題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。今年は易しい問題と時間がかかる複雑な問題が混在していたので、タイムコントロールが難しかったようです。

まず【1】、【2】の8題は基本的な問題です。時間をかけずに全問正解が合格の前提条件です。【3】の図形の小問は工夫が必要な問題ばかりですが、毎年、出題のパターンが決まっているので、類題演習でしっかり対策をしておくと、全問正解できる問題です。特に回転体の表面積は練習しておくと効果的です。【4】は水面の高さとグラフの基本問題。【5】は数の性質・規則性の問題で、規則が見つけられなかった受験生は、ここで時間をかなり使ったのではないでしょうか。【6】は一瞬、立体図形の問題かと思って解こうとすると、実は条件整理の問題。それぞれの条件の場合の数を導き出す問題でした。【7】は処理能力が問われる問題でした。

 

≪2020年注目問題≫

【5】 数の性質の問題です

規則が見つけられるかどうか、等差数列の公式を使いこなせるかどうかが問題を解くカギとなります。規則性の問題は数多くの問題にあたって、色々な規則のパターンを知っておくとよいでしょう。

≪過去10年の単元別出題傾向≫

頻度の差は多少ありますが,出題されない単元はありません。まんべんなく練習し,不得意な単元は作らないようにしましょう。

 

≪合格のために≫

慶應義塾中等部の合格を勝ち取るためには

1 高度な計算力を身につける。

2 基礎力は早目に完成させる。

3 ランダムな問題集で時間を短めに設定し、スピーディーに解く練習を行う。

4 場合の数や条件整理は典型問題を解きこむ。

5 立体図形の回転体からのイメージを正しく持てる練習を行う。

 

社会

≪2020年度入試分析≫

大問数は4題と例年より3題少なくなりました。また、小問数も2019年度よりも10題少ない31題でした。これは、記述問題と図表・データの読み取り問題が増加したことに関係があると思います。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應中等部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

今年度の社会は、以下の3点が特徴として挙げられます。

  1. 記述問題が字数指定の問題に変わったこと。
  2. 大問数が例年の7題から4題に少なくなったこと。
  3. 「生活知識に関する問題」と「福沢諭吉に関する問題」が久しぶりに出題されこと。

特に、1の「生活知識に関する問題」は3年ぶりに、「福沢諭吉に関する問題」は4年ぶりにそれぞれ出題されました。今年度出題されたことをきっかけに、「生活に関する問題」もしくは「福沢諭吉に関する問題は、今後も出題されると思います。次に、大問毎の問題を見てみましょう。【1】では、「2020年の国民の祝日」が出題されました。祝日に関する問題は、平成25年度(2013年度)にも出題されていますので、対策をしていれば解けるかもしれません。しかし、問題では「2020年の祝日が今までの日程と異なっている」点に気付いていたかということです。これは、テレビのニュースや新聞にも取り上げられていましたし、仮に知らなかったとしても、2020年のカレンダーを見ていれば解けたはずではないかと思います。

 

≪2020年注目問題①≫

【2】では、日本国憲法に関する問題が出題されました。日本国憲法の条文は、2016年度の入試問題でも出題されていましたし、2015年度の入試問題では、今回の問題と同じ憲法の改正の手続きについて書かれていた第96条が出題されていました。以上の点から日本国憲法の条文は、出題される割合が高いので、しっかりと抑えておきましょう。また、問2は日本国憲法の見出し別条文数をグラフ化し、図中に当てはまる見出しの正しい組み合わせを答えさせる問題は、知らなければ解けない問題ですので、時間を多く費やすようであれば、他の解ける問題に移るようにしましょう。【3】では、日本と関わりのある国々との交流についての歴史問題が出題されました。どの問題の難易度も基本レベルですので、設問の前後をしっかりと読めば確実に取れる問題です。問7の(2)では、福沢諭吉が行った歴史的出来事が出題されていますので、対策をしておきましょう。【4】では、「自然と共生した日本の伝統的農業」と「いま世界で起こっている環境問題」に関する問題が出題されました。中でも問4では、「フランスのストラスブール」を題材に日本でも今後取り組んでいけそうな事例を記述する問題が出題されました。長文記述の問題は2018年度入試から3年連続で出題されていますので、しっかりと対策をしていなければ解けない問題です。まず、この問題を初見で見た時に、多くの受験生は残り時間から逆算して、どのくらいの時間を費やせるのかを考えて解いたのではないでしょうか。ですが、問われている内容は難しくはありませんので、必ず何かしら書くこと重要です。今年度の問題は、例年のような最後に「解答欄の枠内おさまる程度で述べなさい。解答する時には、解答欄からはみ出さないように気をつけましょう。」という決まりがなく、40字以上80字以内で答えさせる内容に変えています。これは、文章を要約する力が必要です。

 

≪2020年注目問題②≫

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

慶應義塾中等部の公民は、日本国憲法と統治分野(国会・内閣・裁判所)の出題割合が高いです。特に国会とは、過去に3年連続で50字記述の問題が出題されています。国会が苦手な場合は、早期に対策をしましょう。

≪合格のために≫

慶應中等部の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることや日頃からさまざまなことに意識しておくことです。今年度で言えば、「フランスのストラスブール」がどんな環境問題対策になるのか。そして、この取り組みが日本ではどのように活かされるのかを答えさせる問題です。今、日本や世界で起きている問題をあなた自身どう思うのかを慶應中等部は求めています。こういった問題は、机上の勉強で身につくものではありません。塾のテキストに頼った勉強方法では合格点を稼ぐことは出来ないといえるでしょう。そして、今年度では出題されなかった「日常生活に関する問題」を実際に体験することも必要です。ご家庭内で日本の風習や習慣をお子様に教えてあげることに加えて、専門の対策ができる個別指導での学習が必要であると思われます。

 

 

理科

≪2020年度分析≫

今年度は大問数が4題。解答個所は25。大問数は減りましたが設問数は例年とほぼ変わりませんでした。出題形式はほとんどが選択問題ですが,用語記入の出題が7箇所ありました。出題内容は難問がなく,戸惑う問題もなかったでしょう。今年も「ミスなく,素早く,確実に」解くことが求められました。以下に設問ごとの難易度を示します。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題です。

【1】は「生物総合」の問題。身近な題材を取り上げた問題です。【2】は「電流と回路」に関する問題でした。学校の教科書レベルの知識で十分対応できる問題で,必ず正解しなければならない問題でした。【3】は「星座の見え方」についての問題でした。星座や一等星の名まえを覚えるだけでなく,どこにどのように見えるかも学習,経験しておくことが大切でした。【4】は「もののとけ方」。(1)でやや処理に手数が必要なものの,難易度は決して高くない問題です。

 

≪2020年注目問題≫

天の川と夏の大三角の位置関係は,意外と盲点だったかもしれません。テキストの図を注意深く見るなどより丁寧な勉強を心掛ける必要があります。

全体を通して見て,例年と比べても特に平易な問題でした。問題文やグラフの読み取りがやや難解な箇所がありますが,それらも例年と比べると平易です。本年は慶應らしい身の回りの現象などを問う問題は見られませんでした。苦手分野を作っていなかったこと,文章やグラフの理解力が問われた問題でした。

 

≪過去10年の単元別出題傾向≫

生物,天体などやや偏りが見られるものも,全ての範囲でていねいな学習しましょう。難度の高い問題は少なく,短い試験時間の中で正しい知識を素早く使えることが求められます。観察や実験を含む問題が多く出題されます。図やグラフがよく使用されるのでしっかり対策しておくことが必要です。

≪合格のために≫

これまで見てきた通り,慶應中等部の合格を勝ち取るためには,

1.基本的な知識は素早く確実に使えるようにすること。

2.図やグラフを読み取る力を養成すること。

3.身の回りの現象に興味を持つこと。

生活の中やニュースなどで見られる現象に普段から関心を持てているかを求められることがあります。旬の食べ物や季節の変化などにも目を向けることが大切です。

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