慶應義塾湘南藤沢中等部 2022

入試分析

慶應義塾湘南藤沢中等部
2022年度

慶應義塾湘南藤沢中等部
(合判模試偏差値4科 男子:74/女子:76)
(合判模試偏差値3科 男子:72/女子:73)

所在地:神奈川県藤沢市遠藤
調査書・報告書の有無:有
面接の有無:有(受験生・保護者)
予想合格最低点 250点/300点

慶應義塾の中で唯一の中高一貫校。慶應の中学校3校の中では最も新しく1992年に開校。生徒ひとりひとりを大切にして、基本を重視し、基礎を確実に身につける、きめ細かな指導を行う。21世紀に国際的な場で活躍するために不可欠なものとして、語学と情報リテラシーを身につける教育に力を注ぎ、「異文化交流」と「情報教育」を教育における大きな柱としている。

2022年度入試情報

過去7年間の実質倍率(1次試験のみ)

国語

2022年度入試分析

大問数4題、小問数42題の出題でした。若干大問二の小問数が増えています。また、大問2で宮沢賢治の作品について問われています。文学史が出題されたのも珍しいことで、今後どうなるか注目されます。大問一の知識問題は、非常に解きやすいものであるのはここ数年続いています。今年度は熟語の読み方の問題でした。普通に勉強していれば解けるレベルのものだったといえます。大問二の説明文と大問三の物語文がほぼ同じ長さの文章というのが少し例年と違いました。とはいっても、文字数が少し変わっただけで傾向が変わったというほどのものではないでしょう。大問四の作文では文字数が140文字であったことと改段落が「してはいけない」ことを考えると、長めの作文となりました。これは例年通りですので特別な対策が必要な変更ではありませんでしたが、大問一~三で時間を使いすぎると時間不足に陥った受験生がいるかもしれません。過去問演習を繰り返し、添削をしてもらうなどの工夫が必要であるといえます。

2022年注目問題


 実際にこの立場に立たされると、非常に困る状況を設定しています。その状況でどのような判断をするかが一つ目の問いです。そして、選手にどのように伝えるかが二つ目の問いです。まず、何を答えるかをはっきりさせることが必要です。2つの内容を入れるとすると、140文字というのは文字数的にタイトだといえます。いろいろな書き方がありますが、冒頭に自分の意見(= 一つ目の解答)、その後選手に伝えること(= 二つ目の解答)と、順番に書くとわかりやすいです。慶應義塾湘南藤沢中等部の作文はいろいろなものが出題され、的を絞りづらいが、過去問演習をたくさんやることが必要です。できれば、プロの講師に添削などをしてもらうのがいいでしょう。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2022年度入試分析

合否を分ける問題は【3】平面図形(3)、【4】規則性(3)、【5】速さ(3)、【6】水量の変化(3)のこの4題のうち2問以上正解できるかどうかにかかっています。それ以外は逆に落としてはいけない問題となっています。ただ、上記に挙げた4つの問題も決して難問ではなく標準的な問題となっている。
・平面図形は相似な図形に気づけるかどうか。
・規則性も奇数段目と偶数段目の違いから、2つ回答があることに気づけるかどうか。
・速さも多分ダイアグラムから相似な図形を作れるかどうか。
・水量の変化も容器を45度傾けた図形に気づけるかどうか。
これは意外に基本的な問題であるが当日その基本を発揮できる訓練をしておく必要があります。日頃の基本的な演習を重視しているかどうかを学校側が求めている人物像といえるかもしれません。

前述でも記載した通り、その4問の出来が合否を分けるといいっていいと思います。

2022年注目問題

 【4】 規則性の問題です。

過去10年の単元別出題傾向


合格のために

慶應義塾湘南藤沢中等部の合格を勝ち取るためには
  1. とにかく基本問題を徹底的に反復すること
  2. 基本問題を1問も取りこぼさず、標準的な問題も解ける(もしくは得意分野を重要単元から何個か作れるかどうか)。

社会

2022年度入試分析

大問数7題・小問数41題とほぼ例年通りです。例年、出題されている「地形図の読み取り」は1問の出ていませんでしたので、時間配分にいくらかの余裕があった入試問題であったと思われます。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應義塾湘南藤沢中等部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

【1】は「日本の人口」に関する問題が出題されました。設問の内容は、一見すると基本的な問題ですが、問1のような問題は、年少人口(14歳以下)・老年人口(65歳以上)の割合を知っていないと計算できない問題です。2022年度の慶應湘南藤沢では、【1】から応用力を試される問題が出題されましたので、時間配分を図る上では非常に良い問題です。わからなければ次の問題に移りましょう。

2022年注目問題


【2】は「SDGs」を題材とした出題されました。SDGsに関する問題は、慶應湘南藤沢では近年、頻出の問題です。設問の中には、カーボンニュートラルやフードマイレージ・フェアトレードなどの用語が多く出ていますが、これらは知って当たり前の前提で出題していますので、確実に正解しておかなければなりません。知らない場合は、対策を必ずしておきましょう。【3】は「縄文時代・弥生時代」について説明している会話文が出題されました。問題の難易度は、基本レベルですので確実に抑えておかなければなりません。【4】は「戦国時代前後のできごと」を題材とした歴史問題、【5】は「民撰議院設立の建白書」を題材とした歴史問題、【6】は「日本の裁判」に関する問題がそれぞれ出題されました。どれも基本から標準レベルの問題ですので、ここでの失点も許されません。むしろ全問正解していてもおかしくはない問題です。【7】は「戦後の日本」を題材とした問題が出題されました。どの問題も教科書や参考書で一度は習ったことがある内容ですので、確実に正解しておきましょう。

過去10年の単元別出題傾向


慶應義塾湘南藤沢中等部の地理は、各地方の特色と地形図の読み取りを出題される割合が高いです。各地方の特色は、国土・農業・水産業・工業・人口などと併せて出題されます。苦手な場合は、早期に対策をする必要があります。

合格のために

湘南藤沢の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。特に、2021年度入試では出題されませんでしたが、「地形図の読み取り」は、大手進学塾では小学4年生時に学習して、その後小学5・6年生で再度、時間を設けて学習することはありません。縮尺と等高線・地形図の読み取りが苦手な受験生は、早期に対策しましょう。また、湘南藤沢は他の慶應附属校3校の中で、設問を細部まで読み解く力が特に必要です。(過去の入試問題では、正しい答えが1つだけではなく、2つ以上あるものもありました。)正しい答えを見極める判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2022年度入試分析

知識重視ではなく、考えさせる問題ということに変わりはなく、多少の記述もあります。また、知識を求めないが故に、選択肢が正解であっても、この実験から推測できないものは選んではいけないという問題が1問だけありました。問題は平易でかなり高得点が必要となります。とは言っても、「再生可能」エネルギーという言葉を書かせるなど、環境関連にも注目を置いていることから、普段のニュースなどにも目を通している子が欲しいのだなという学校からのメッセージを強く受ける問題となっています。

正直高得点の勝負になるので、どの問題も落としがたい。浮力の問題に関しては浮力の根本がわかっているか、ちゃんと設問の意図がわかっているかが問われる。ちなみに浮力の問題は、オリンピックの金メダル・銀メダル・銅メダルの特徴から重さや、金属の密度を求めさせるという問題だった。推測は難しいといえるが、対策は以下の通りだと思います。理科での時事問題というのは、単純な知識問題を出す学校は少なく、それに関連付けて出題されるので、逆に言えば時事の知識は最低限でよく、基本事項をしっかりと理解しているかが焦点になります。徹底した基本知識の整理が重要で、応用的な問題は必要ありません。

2022年注目問題


この問題は少し考えると、「風」ではないかと考える人も多いかと思いますが、それでは大量の蜜を出す必要はありません。しかし一方で、あまりにおいを出さないということから、「虫」という選択肢も消えます。花の蜜や果実に引き寄せられる「鳥」が正解です。「鳥媒花」という言葉を知っていると発想しなくても答えを出せるかもしれません。

過去10年の単元別出題傾向


合格のために

これまで見てきた通り,慶應義塾湘南藤沢中等部の合格を勝ち取るためには,
  1. とにかく基本問題を徹底的に反復すること
  2. しかし、一方で実験から分かることだけを問われるような問題傾向もあるため、知識にとらわれず、問題をしっかりと読んだうえで判断すること。
  3. 普段から「どうしてこうなるのか?」などの疑問を持つこと。 (例えば、今回はドライアイスから出る白い気体が何かを問う問題があったが、そもそも二酸化炭素は気体で目に見えることはないことから、空気中の水蒸気が水や氷に変化したものであるなど)普段のお買い物でも、なぜアイスには氷ではなく、ドライアイスが詰められているかなどを考える必要があります。普段の好奇心が肝心!
タイトルとURLをコピーしました