入試分析
早稲田佐賀中学校
2021年度
国語
2021年度入試分析
大問数3題、小問数27題と、小問数が若干増加しました。大問3が詩・短歌・俳句ではなく、知識事項の出題というのは定着したようです。文章量からみても、60分の試験時間を考えると、適切なボリュームです。 設問内容ですが、例年通りです。しかし、数年前より難易度が上昇しているので、数年前の過去問の扱いには注意が必要です。記述問題は大問一で60文字以内のものが一題出題されています。昨年は二題だったので記述問題の数は減少していますが、複数の選択肢を選ぶ問題など難易度は上昇したといえます。大問三でも文章の誤りを指摘する問題や論理的思考を試される問題などが出題されており、面食らった受験生もいるかもしれません。漢字やことわざは決して難易度の高いものではなく、普段の学習の積み重ねが大切です。きちんとした対策を継続してください。2021年注目問題
論理的思考を試す問題です。Bが「いぬ」でない(Bが「いぬ」の場合Cも「いぬ」でなければならないが、そうするとCの発言が嘘になってしまう)ということに気が付けば難しくはありません。とはいえ、考え方のとっかかりもなかった受験生には難しかった問題です。中高一貫校を中心とする思考力を試す問題や、昨今の教育の流れを考えるとこのような問題の出題は増えていくと考えられます。早稲田佐賀でもこのような出題が見られたということは、今後も出題は十分に考えられます。また、どの学校を志望する場合でも準備が必要だという事を示唆している問題だともいえます。
過去10年の単元別出題傾向
算数
2021年度入試分析
制限時間60分・配点100点・大問5題・小問25題と、問題数は昨年と同様でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。全体を通して比較的解きやすい基本レベルから標準・発展レベルの問題が、バランスよく出題されていました。問題数が多いので、時間配分に注意が必要です。まず1は一行問題が13題。基本レベルの問題ばかりですが、問題文を丁寧に読まないと時間がかかってしまう問題が含まれているので日頃から問題文を丁寧に読む習慣をつけておくとよいでしょう。範囲の偏りはなく、色々な分野が出されています。すべての範囲に対応できるように、準備しておきましょう。全問正解できた受験生も多くいたようです。2の数の性質、3の速さの問題は、問題文をもとに整理し、思考を重ねていく問題ですが、とくに3の速さの問題(2)は、解答までの考え方を示す式や文章、表を書く記述問題なので、日頃から途中式や考え方を書く習慣を身につけておきましょう。4は正六角形の求積問題。平面図形と比の知識を使いこなして時間をかけずに得点しておきたい問題でした。5は立体図形の切断と展開図の問題。展開図の典型問題なので、イメージできるように訓練しておくと効果的です。
2021年注目問題
5の(2)立体図形の切断・展開図の問題です。三角すいの展開図が正方形になることを知っていれば、解きやすい問題です。(1)は正解必須。(2)は典型問題。自信を持って臨めるように準備しておきましょう。
過去10年の単元別出題傾向
早稲田佐賀中学校は、立体図形に関する問題がよく出題されるのが特徴です。体積や表面積の求積問題を中心に、基礎学力を早目に完成させた後、標準レベルの問題演習を行うとよいでしょう。早稲田系の過去問を使って問題演習を行うと効果的です。
合格のために
- 毎日の計算練習で、計算力を身につける。
- 基礎を早目にマスターする。
- ランダムな問題集で、実戦力を身につける。
- 図形は相似の問題を中心に平面・立体ともに丁寧に練習する。
- 展開図から立体を正しくイメージできるように練習する。
社会
2021年度入試分析
大問数3題・小問数47題と例年通りです。また、早稲田佐賀は、毎年必ず「九州地方に関係のある問題」が出題されていましたが、今年度は「地形図の読み取り問題」が初めて出題されました。難易度は標準レベルの問題ですので、多くの受験生が解けたのではないでしょうか。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田佐賀合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。2021年注目問題
1は「都市名が漢字3文字の地方公共団体を表にまとめた地理問題」が出題されました。早稲田佐賀中学校は試験時間が40分あり、他の中学校よりも試験時間は長くなっています。ですが、解答数が多いので、上記の問題に多くの時間を費やすと、たちまち試験は終わってしまいます。この問題に直面した場合、この表に書かれている情報を瞬時に見つけましょう。イメージは、クイズを解くような感じです。このような問題は毎年出題されていますので、対策をしておきましょう。ちなみに問1の(2)の答えは、「名古屋市・和歌山市・鹿児島市の3つ」となります。そして、問17の答えが「エの府県の人口が多くなっている順番」となります。この問題に時間が掛かるのであれば、自分が解ける問題にうつりましょう。時間の使い方が試される上で、非常によい問題です。また、上記でも記載した通り、今年度の入試問題では「地形図の読み取り問題」が出題されました。地形図の読み取りは、早稲田系列の中学校では稀なケースですので、今後対策が必要になるかもしれません。2は「国際連合」を題材とした公民問題が出題されました。問題の難易度は、基本~標準レベルの問題ですので、確実に正解しておく必要があります。3は各時代の「医学・医療・薬学」に関する歴史問題が出題されました。問題数は19問と多いですが、どの問題も基本問題・標準問題レベルですので、高得点が取れたと思われます。今年度の問題では、全ての大問に短文(新聞記事など)や表から読み取れることを全て答えさせる、正しく述べている選択肢の組み合わせを答えさせる問題が出題されました。このような問題は、今年度を含めて3年連続で出題されていますので、文章読解力も養う必要があります。
過去10年の単元別出題傾向
早稲田佐賀中学校の歴史は、ほぼ全ての単元から満遍なく出題されています。よって、歴史で躓くと点数が取れないということになります。歴史が苦手な場合は、早期に対策をする必要があります。
合格のために
早稲田佐賀合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。2021年度入試でも出題されませんでしたが、早稲田佐賀の入試問題では、記述問題が大問毎に出題されます。普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をする必要があります。また、早稲田佐賀の特徴である「九州地方に関係する地理・歴史の問題」・「表から読み取れる問題」も出題されますので、普段の学習から取り組むことをお勧めします。理科
2021年度入試分析
今年度は大問数4、小問数21、解答箇所26で、昨年と比べ若干ですがボリュームは減りました。解答形式は、選択問題、用語記入、計算問題がバランスよく配置されています。今年度は記述問題が1問出題されました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。1は「物質の性質」の問題でした。金属をテーマに水溶液との反応、密度、バイメタルなど幅広く出題されました。題意を読み取れば決して難しくない問題なのですが、知識があればさらに自信をもって答えられたと思います。2は「気象」。基本的な知識があれば正解できる問題ですが、表面的な知識だけだと苦労したかもしれません。3は「光」から凸レンズに関する出題でした。問題文が長く、図も多かったので一見複雑な問題に見えますが、考えるためのヒントが問題文の中に多くありましたので、注意深く対応できれば得点できたはずです。
2021年注目問題
カメラのF値は知らなかったかもしれません。しかし、問題文の中に解法のヒントがありましたので、それを正確に読み取ることができたかが、問われました。4は「植物」の問題でした。植物の種子のつくりと発芽の知識中心の出題でしたが、表を読み取る問題がありこの問題への対応は慎重さが必要でした。全体的に難易度は高くありませんでした。しかし、解きやすい問題ばかりとは言えません。例えば、問題文が長いことがあげられます。問題文や表・グラフなどの情報をいかに解法に生かせるかが高得点のカギになります。また絶対ではありませんが、「トタン」などの幅広い知識があると問題文が読みやすくなり自分の解答にも自信が持てるようになります。
過去10年の単元別出題傾向
全分野もれなく基本知識を学習しておくことが必要です。あやふやな知識は使えず確かな知識が求められます。計算問題はやや難易度が高い傾向にあります。様々な図やグラフがある問題を練習しておきましょう。
合格のために
これまで見てきた通り,早稲田佐賀の合格を勝ち取るためには- 基本的な知識を確実にすること。
- 不得意な分野をなくすこと。
- 物理や化学を中心として計算問題を十分に練習すること。