皆さんこんにちは!早慶早慶ネクシア青山雄一(あおやまゆういち)です。
今年の入試問題の中で、気になった問題を紹介したいと思います。
早稲田実業学校中等部の社会、大問1の問8です。
下線部8について、小林一三は次の写真のように、
異なる業種を結びつけた経営をおこないました。
何と何を結びつけた経営をおこなったのか。
写真から読み取って答えなさい。
まず、写真を見てみましょう。
建物の上部に「阪急百貨店」と書いてあります。百貨店(デパート)ですね。
百貨店がどのような場所かは想像がつきますね。
いろいろなものが売っているお店です。
東京でいうと、新宿、渋谷、池袋など大きな駅にあります。
地元の駅にはあまりありません。
売っているものは、比較的値段の高い、高級なものが多いでしょう。
日曜日に家族で買い物に行く、などちょっと特別な買い物の時に利用するお店です。
近所のコンビニに行くというのとは状況が違います。
写真をさらにみてみます。
建物の左端に「神戸ユキ急行電車のりば」と書いてあります。
ビルの下の方には「神戸行特急30分」とあります。
下のものは見つからなかったかもしれませんが、
左端のものが見つかれば十分でしょう。
デパートはどのような場所かは上で考えた通りです。
地元の駅ではなく、ターミナル駅まで行かなくてはいけないのですから、
そこまでどのように行くのかが問題です。
そこで、小林一三は鉄道会社と百貨店を結び付けたのです。
うちの鉄道沿線に住んでいる人は
デパートに行くのがとても便利だよ!ということです。
解答は、「百貨店と鉄道」でいいと思います。
● 問題の解説 ●
一生懸命知識を覚えて、漢字で書けるようにして
そうしたら解けるというものではありません。
表やグラフを一生懸命読み取って、
覚えたことを使って解くというものでもありません。
地理を教えていて、このようなことを考えられる生徒になったら素敵だなと思うことが、
問題として実際に表現されている!すごい!と思いました。
● 何に注目したのか ●
最近、学習指導要領が新しくなりました。
そこでは「アクティブラーニング」「主体的に学ぶ」
「思考力」「表現力」「判断力」
というような言葉が並んでいます。
とは言っても、実際には大学入試があるからそんな勉強できないよ、
という意見もあるでしょう。その通りかもしれません。
この問題の解説の部分で書いたことは、
(表現は小学生向きにしましたが)高校地理で学習する内容です。
では、高校の地理でこのような内容を扱うでしょうか?
あるいは大学入試の問題でこのような問題が出題されるでしょうか?
答えは「No」だと思います。
大学入試でこのような問題は出題されないでしょうし、
「したがって」高校の授業でも扱わないということになるでしょう。
もしかしたら、生徒も「受験に出ないものはやりたくない」
ということになるかもしれません。
「受験に関係ない科目は手を抜く」ということになっては本末転倒です。
でも、早稲田実業という中学校はそうではないのでしょう。
地理というのはこういうものなんだよ、
ということを実際に授業で見せているのだと思います。
早稲田実業で一生懸命学べば大学に進学できます。
それは、楽をできるという意味ではありません。
早稲田実業で学問の本質に近いことを学んでほしい、
受験に関係ないからやらないというような勉強をして
欲しくないということではないでしょうか。
だからこそ、入試問題でもこのような問題を出しているのでしょう。
● 大学附属校に向けて ●
大学附属校への受験勉強だから、
進学校と全く違うことをするということではないでしょう。
しかし、ただ重箱の隅をつつくような知識まで
ガリガリと覚えるということでもないでしょう。
一つ一つ、暗記するというよりも理解をして進んでいく。
これが付属校が欲している生徒であり、付属校での学びなのだと思います。
受験勉強をするときに、同じテキストを使っても、
全く違う勉強の仕方をする必要があるかもしれません。
個別指導で、講師とのやり取りの中で、
生徒ごとに理解しているかを確認しながら授業を進めるというのが
付属校進学を目指す最短の方法なのではないでしょうか。
今の学習方法でいいのか、転塾を考えているなどという方は、
上記のようなことも考えてみてください。
夏期講習が終わると、過去問演習も本格的になるでしょう。
その段階で、「こんなはずじゃなかった」とならないように、
どのように学習を進めるのかという点もよく考えてほしいと思います。
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