天体を苦手としている受験生諸君 その4

早慶ネクシアの理科担当 石丸圭一(いしまるけいいち)です。
前回までの投稿で「月の満ち欠け」「星の運動」のお話をしました。

今回から
「3.太陽系・時事問題・一般常識」について見ていきましょう。
3-1 太陽系

平成27年度 慶應義塾湘南藤沢中等部 大問3

この設問は,太陽系の惑星の知識を直接問う問題ではありませんが,
この表の意味や地球型惑星と木星型惑星の違いなどは押さえておきたいところです。この表から公転軌道の半径が大きいものほど公転周期は長くなっていることがわかります。ですから,系外惑星においても公転周期が長いものほど恒星からの距離が遠いことが想像できます。

平成29年度 早稲田中 第1回 大問4

地球と火星の公転周期から,図6の状態になるのは何年後かを計算する問題です。同じような問題は過去にもいろいろな学校で出題されていて,目新しい問題ではありませんが,天体の計算問題としては難易度が高い問題ですので,練習しておく必要があるでしょう。
地球は1年に1回太陽のまわりを公転しますが,火星は1年で1/1.9回公転しています。
ですから,1年での公転の差は1-1/1.9=9/19回になります。なので差が1回になるのは,1÷9/19=19/9年ごとわかります。よって2018年7月となります。
平成25年度 早稲田中 第1回 大問1

この問題も前問と同じく早稲田中学校の問題ですが,金星に関する代表的な問題です。金星の満ち欠けや見え方は必ず知っておく必要があります。
問1は金星の軌道の問題。金星は地球より太陽に近い軌道を回っている内惑星ですから,地球から見て太陽の反対側にくることはありません。ですから,真夜中に観測することはできません。よって答えはア。

問2は地球と金星の距離と金星・太陽・地球の位置関係から見える大きさと
どのように光って見えるかを考えます。答えはイ。

問3は地球と太陽を結んだ線より金星が右側ならば明けの明星,左側ならば宵の明星と知識として覚えておくとよいでしょう。その前にどうしてそうなるかは理解しておかなければなりませんよ。答えは2。

まとめ
「太陽系」に関しては,
8つの惑星の特徴を簡単に押さえること。
8つの惑星の名前を太陽方近い順に漢字で書けますか?
図や写真を見て,どれが木星かどれが土星か区別がつきますか。
ガリレオガリレイが見つけた木星の4つの衛星の名前がわかりますか。

金星の満ち欠けについて理解すること。
明けの明星と宵の明星の違いがわかりますか。
望遠鏡で見たときの形が間違えなく答えられますか。
金星と同様に満ち欠けをする天体を言うことができますか。

計算問題で困らないように算数に強くなっておくこと。
火星の周期の計算のような問題に対応できますか。

もっと詳しく知りたいなどありましたら
メールでご質問ください。
contact@altair-waseda-keio.jp
担当:石丸

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