中学受験で「大学付属校」を勧める4つのワケ④

いつもお読みいただきましてありがとうございます。
中学受験カウンセラー野田英夫(のだひでお)です。


どうして私が中学受験で「大学付属校」を勧めるのか?
勧めるワケは4つある。


①”大学受験”のために子供たちの貴重な時間の多くを縛ることに価値を見いだせないから。
②大学付属校の入試なら精神的幼さ残る子供にもフェアな入試を提供できるから。
③中学・高校そして大学と自分のやりたいことに注力ができ、生きる力を養うことができるから。
④難関進学校に偏重させることで過度な競争を煽る中学受験業界に対して維新を起こすため。


今回で最後となります。
④難関進学校に偏重させることで過度な競争を煽る中学受験業界に対して維新を起こすため。
これについて解説していく。

私、野田英夫が「塾」を経営している理由はここにある。
塾のなかでも「中学受験」で、
しかも「大学付属校」に特化してやっていること。

それは、
難関進学校に偏重させることで、
過度な競争を煽る中学受験業界に対して維新を起こすため、である。

いまの中学受験のやり方で、子どもたちは幸せになるだろうか?

もちろん希望の学校に進学して、幸せを感じている子どももいることだろう。
しかし、その大半はそうでないと断言できる。

②大学付属校の入試なら精神的幼さ残る子供にもフェアな入試を提供できるから。
このなかで『偏差値「60」以上の学校が絶対条件となる』ということに触れた。

この「偏差値60」という数字であるが、
上位で約16%である。
100人でたった16名しかいないのである。



あえて(・・・)する(・・)中学受験だから、
この「偏差値60」が志望校の絶対条件であるなら、
たった16%しか志望校に合格しないことになる。

現実は、各学校で抜けを考慮して定員より多くの合格者を出すため、
だいたい20%程度に収まることになるのだが、
だとしても80%の受験生は志望校に合格していない計算になる。

もちろん志望校に合格することだけが成功というわけではないが、
中学受験によって不幸を感じている家庭は多いのではないだろうか。




さて、「難関進学校」と「大学付属校」の入試問題が違うことは認識しているだろうか。
このブログ読者の皆さんはすでにご存じのことと思うが、
大多数の中学受験生の保護者はこんなことすら知らない。

こういった情報は、中学受験塾からは提供されないからだ。
情報提供すると競争のうえに成り立つ塾運営がままならなくなるからである。

大学付属校を志望しているのに、
四谷大塚「予習シリーズ」なんて要らない。
SAPIX「デイリーサピックス」なんてもっと要らない。

これらのテキストは、
御三家などの難関進学校に合格するためのもので、
論理的思考力を問う難問ばかりである。

大学付属校を受験するのなら、
難問ばかりを扱う難関進学校向けのテキストは適していないのである。

小学生でも早熟な子で、
こういう難問を楽しんで勉強できるなら、
これで大いに結構である。
きっと偏差値60以上、上位16%のお子さんだと思う。
超難関進学校を狙って受験すればいいと思う。

しかし、約8割の大多数の子どもには、
「予習シリーズ」も「デイリーサピックス」も不要である。
内容が難しすぎるのである。
それは中学受験生の半数以上が、
まだ論理的思考力が備わっていないからである。

論理的思考力が備わっていない子に、
無理までさせて難関進学校の勉強を強要することはやめた方がいい。
子どもの自己肯定感を下げることになる。
また、小学生の段階で能力が決まるものではないのだから。

いまの中学受験というのは、
受験生全員が、東大とか、京大をめざして勉強しているようなものである。
ドラゴン桜のように高校生なら、
「ブスとバカこそ東大へ行け!」は成立するが、
まだ未発達で論理的思考力が身についていない小学生に、
東大とか京大をめざす勉強は成立しない。

さて、
塾の成績が上がれば志望校に合格できるのか?

これは、半分正解で、
半分不正解である。

先ほど難関進学校と大学付属校の入試問題は異なると言った。

入試問題が異なるというのは、
難関進学校と大学付属校の違いに限ったことではない。
各学校で入試問題の出題傾向は異なっている。

難関進学校と大学付属校では、
中学・高校6年間の過ごし方が異なるため、
入試傾向だけでなく、進学の主旨も異なってくる。

その違いほどでないにしても、
難関進学校においても出題傾向は学校によって異なる。
学校が求める生徒像も異なってくるからだ。

さて、大手集団塾の授業はどうだろうか?

集団指導というのは一斉授業である。
当たり前だが、クラス内において同一の授業が展開されている。
かつ、テキストが同じであれば上位から下位まですべてのクラスで、
難易度の変化はあるものの同一の授業が提供されていることになる。
十把一絡げである。

つまり、塾の成績を上げても、
各学校の入試問題に即した勉強をしていないと、
志望校合格には直結しないということ。

また、大手集団塾では、
上位クラスに在籍していないと志望校には合格できないという既成概念が存在する。

だから生徒も保護者も一つでも上位クラスに上がること、
塾の成績を上げることに躍起になる。
これが過度な競争を生み出す元凶なのである。

また、それでは目標がすり替えられている。
「志望校に合格すること」から「塾の成績を上げること」に、
目標のすり替えである。


また、これも大事なことなので認識しておいて欲しいのだが、
大手に限らず一斉授業の塾というのは、
“積み上げ式学習”であるということを。


積み上げ式学習というのは、
毎日、知識を積み上げていく方法をいう。
適切な学習方法だと感じられるかもしれないが、
受験においては、かなり非効率な学習法である。
この方法だと目標に到達できるかどうかわからないからである。

学校などの学力の標準化を目的とする環境ならいいが、
中学受験の場合だと、非効率極まりない。

では、積み上げ式学習ではなく、
どんな学習法ならいいのか?

それは“逆算式学習法”である。
志望校合格というゴールを設定して、
そのゴールから逆算して、必要な学習をしていく方法である。
この逆算式学習法であるが、
大学受験においては一般化されているが、
中学受験においてはほとんど実践されていない。

ちなみに、
中学受験塾における積み上げ式学習というのは、
どんな敵にも戦えるよう筋肉ガッチガチに鍛えるようなものである。

以下はマンガ「二月の勝者」の一幕であるが、
まさにこれと同様のことが行われている。

こんなセリフである。
「子どもに『課金』して、クソ強いキャラに育てようとして何が悪い。」
「勇人にどんな敵でもラスボスでも倒せるクソつええ武器持たせたいんだよ。」



これを聞いて、
「それでもいいじゃないか?」と考えているのなら重症である。
完全に塾の戦略にのせられている。
洗脳されていると言ってもいいだろう。
そして、受験する子どもがかわいそうである。

中学受験塾の多くは、
このように過度な競争を煽って経営を成り立たせている。

だからこそ、私は、
そのために不幸な家庭を増やしてはいけないと考えている。
あえて受験するのが中学受験なら、
上質で幸せな中学受験を経験してもらいたい。

私、野田英夫の使命は、
「かかわる子どもたちとその家族を笑顔にする」

そのために、
大学付属校を勧めていくことで、
難関進学校に偏重させることで過度な競争を煽る中学受験業界に対して、
維新を起こしていく。

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では、また!

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過去の事実はけっして変えられないが、

過去の解釈はいくらでも変えられる。

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                野田 英夫

―――――――――――――――――――――

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