親が教えると子どもはどうなるか?

塾長ブログ

中学受験カウンセラー 野田英夫です。

「お父さんお母様のための中学受験教室」が開催されます。

ぜひ皆さんご参加ください。

第4回「お父さんお母様のための中学受験教室③」

会場:早慶ゼロワン 四谷校

開催日:6月13日(日)
開場:9:45~
時間:10:00~11:30
参加費:無料

内容:志望校・受験校の決め方・大学付属校の国語と社会
https://zeroone-lp.altair-waseda-keio.jp/seminar2/

オンラインでの参加も可能です。

4月29日に開催された第3回中学受験教室の模様です。→https://youtu.be/_y3wwI8bzeY

また「週刊ダイヤモンド」4月24日号に掲載されました。

                                        https://amzn.to/3x6C6YC

今週は、

「親が教えると子どもはどうなるか?」というテーマでお話させていただきます。

では、いきましょう!

■親が教えると子どもはどうなるか?

皆さんも教えた経験、少なからずあることでしょう。

子どもに教えたことがないという方は、

ほとんどいないと思います。

もちろん私自身も、私の娘に教えたことがあります。

しかし、いま娘は小学3年生ですが、

もう私は教えていません。

いや、教えないことにしています。

ここでいいたいのは、

中学受験であること、

小学4年生以上であること、

親が塾の勉強フォローをしている。

この状態のことを指します。

小学4年生未満なら、

親の関与が子どもにいい効果を与える場合もあるからです。

先に結論をいいます。

親が教えて「いいことなんてない」ということ。

何もいいことなんてないんです。

だから、親が教えない方がいい。

■なぜ教えてはいけないのか?

なぜ親が子どもに勉強を教えてはいけないのか?

それは、

子どもの「自己肯定感」が下がるから。

自己肯定感とは、

自分を積極的に評価できる感情のこと。

自分のことが好きかどうかということ。

子どもにかぎらず、

人は自己肯定感が下がると、

自分のことが嫌いになっていく。

そして、やる氣もなくなっていく。

無気力になっていく。

この表は、

データは少し古いが、「文部科学省」が発表している

平成26年度「高校生の生活と意識に関する調査における国際比較」である。

「自分はダメな人間だと思うことがある」という自己肯定感の低さのデータである。

「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合計すると、

実に「72.5%」が、自分はダメな人間だと思っているということ。

米国で「45.1%」、中国で「56.4%」、韓国で「35.2%」、

明らかに日本人の子どもたちの自己肯定感の低さが証明されている。

■親の言うことを聞かせようとしていないか?

「どうして勉強しないの?」

「どうしてこんなこともわからないの?」

「どうして集中して勉強してくれないの?」

「どうしてやる気になってくれないの?」

「どうしてわかってくれないの?」

「どうして、どうして、どうして・・・」

親が勉強に関与すると、

きまってこんな言葉が出てきます。

思い通りにならないからですね。

でも、

こんなネガティブワードを連発しても、

けっして子どもは自分の思い通りにはならないし、

けっしてやる氣にもなりません。

それどころか自己肯定感が下がり、

無気力な子になるだけ。

子どもにかぎらず、

こうやって人をコントロールすることを、

「外的コントロール」といいます。

相手に何か刺激を与えて思い通りにしようとする方法。

軍隊の命令などはその典型といえます。

会社などでも、成果の上がらない部下に、

上司が厳しい口調で注意することがあります。

この方法、一時的にやらせることは可能ですが、

けっして継続はしません。

そして、これをやられた人は、自己肯定感が下がり、やる氣を失っていきます。

いいことないんです。効果ないんですから。

でも、なぜ皆、この外的コントロールをしてしまうのか?

それは、

こうすれば、「相手は変わってくれる」と信じているからです。

変わってくれると信じているから、やってしまうのです。

でも、この外的コントロールをいくらやっても、

相手は変わってくれません。

子どもも変わってくれませんよ。

強制的に相手を変えることは不可能なんです。

まずはここを認識してください。

塾の「週例や月例テスト」、「クラス分けテスト」などの前に、

テスト対策として親が教えること。

テストで、少しでもいい点数を取らせたいために親が教える。

これも、そのテストで一時的にはいい点数を取らせたとしても、

長期的な学力向上にはなりません。

中学や高校の定期試験勉強みたいなものだからです。

テストのためだけの勉強というのは、身につかない、自分のものにならない。

そして、自分からやるのではなく、親からやらされている、なおさら身につきません。

自らやるという「自立」を阻害する要因にもなります。

親が強制的に勉強させている子は、例外なく自立していないですよね?

■私が娘に勉強を教えない理由は?

中学受験のプロである私も、娘に勉強を教えることはしません。

それは、私が感情的になってしまうからです。

仕事として割り切れば感情をOFFにすることも可能ですが、

自分の子どもに感情をOFFにはできないからです。

医者は自分の家族の手術はしないと言われますが、

きっと冷静な判断ができないからではないでしょうか。

もし皆さんが冷静に対処できるというのなら、

子どもに教えてもいいのかもしれません。

でも、本当に冷静でいられますか?

かつて三者面談にて、

私からの、親が教えるのはお勧めできませんよ、という提案に対して、

「大丈夫です。私は感情的にはなりません。いつも冷静に教えていられますから」

と言われるお母様がおりました。

面談が終わり、エレベーターまで見送りをしました。

エレベーターのドアが閉まって、数秒後に、

「なんで、先生の前であんなこというのよ!」と、母親の大声が聞こえてきました。

もう聞こえないと思ったのでしょう。

子どもの声はまったく聞こえてきませんでした。

家庭でその母親がどんなふうに教えているか、子どもとどのように接しているか、

想像ができました。

感情的になると、

それが子どもに伝わり、

子どもの自己肯定感はどんどん下がっていってしまいます。

自己肯定感が下がると、やる氣も失われます。

いいことなんて何もないんです。

■マズローの5段階欲求をご存知ですか?

人間の欲求というのは、

5段階に構成されているというもの。

https://ameblo.jp/doctor2017/entry-12670520738.html

「ウチの子どうしたらやる気になりますか?【後編】」でも書いていますので、

詳しくはこちらもお読みください。

この5段階欲求の「承認欲求」をみてください。

承認欲求とは、

他者から認められたい、尊敬されたいという欲求。

人間は、他者から認められて、自分を価値ある存在として認めることができます。

つまり、承認欲求が満たされることによって、「自己肯定感」が高まるということ。

にもかかわらず、

「どうして勉強しないの?」

「どうしてこんなこともわからないの?」

「どうして集中して勉強してくれないの?」

「どうしてやる気になってくれないの?」

「どうしてわかってくれないの?」

「どうして、どうして、どうして・・・」

こんな言葉ばかりでは、承認欲求は高まりません。

自己肯定感は下がる一方です。

では、承認欲求の上には何がありますか?

「自己実現欲求」ですね。

自己実現欲求とは、

何かを成し遂げたい、あるべき自分になりたいという欲求。

ここには「目標」と「目的」が含まれています。

何かを成し遂げたいというのが「目標」で、

あるべき自分になりたいというのが「目的」にあたります。

目標は、

例えば、第一志望校に合格する、というもの。

目的は、

例えば、第一志望校に合格して将来は医者となり、病気の人を助けたい、というもの。

(このように目的があるから、目標が設定できるのです。

でも、多くの方が、目標は設定するが、目的は設定していない。)

この自己実現欲求ですが、承認欲求が満たされないと起きません。

承認欲求が満たされないと、

第一志望校に合格するという目標を達成しようという気持ちも芽生えなければ、

病気の人を助けたいという目的も出てこない、

つまり、やる氣は生まれないということ。

(そもそもやる氣とは、ある目的のために、目標という手段を使って、

人から言われなくても、最後までやり通す心の在り方のこと。)

さあ、それでもあなたは子どもに教えますか?

相談あれば、個別にメール(contact@altair-waseda-keio.jp)を送っていただいても結構です。

「中学受験と幸せの答え」を一緒にさがしていきましょう。

私はこれからも、思っていることを本音で書いていきます。

塾業界で蔓延している非常識を明らかにしていきます。

皆さんに少しでも早く目を覚ましてもらうために!

「中学受験と幸せの答え」をさがしていきましょう。

では、また!

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