早稲田佐賀中学校2023

入試分析

早稲田佐賀中学校
2023年度

早稲田佐賀中学校
(合判模試偏差値 男子:70/女子:70)

所在地:佐賀県唐津市東城
調査書・報告書の有無:有
※ただし、新思考入試のみ
面接の有無:無
予想合格最低点 210点/300点

早稲田大学の7番目付属・系属校として、佐賀県唐津の地に開校。「九州のWASEDA」として、早稲田大学建学の精神を踏まえた三本の柱「学問の独立」「進取の精神」「地球市民の育成」を理想とする教育活動を展開し、九州を代表する進学校を目指す共学校。中学校では知識や思考力・判断力につながる基礎的な応用力、実践力へと発展させ、さらに高い学力や能力、そして意思決定力や国際性を育成し、最適かつ高いレベルの大学で学ぶための力をつける。

2023年度入試情報(首都圏入試)

過去7年間の実質倍率

国語

2022年度入試分析

大問数3題、小問数40題と、小問数がかなり増加しました。大問3で知識も問われていますが、今年は短歌が復活しました。和歌の技法については、古いものまで含めて過去問を演習していた受験生はそれほど戸惑わずに対処できたのではないでしょうか。文章量からみても、60分の試験時間を考えると、適切なボリュームです。 設問内容ですが、例年通りです。しかし、数年前より難易度が上昇していますし、記号選択でない問題(抜き出しなど)が増えています。過去問をたくさん解くことは大切なことですが、一方で数年前の過去問よりも難易度が上がっているので戸惑った受験生もいるかもしれません。記述問題は大問一で50文字以内のものが一題、大問二で25文字のものが一題出題されています。昨年は一題だったので記述問題の数は増加しています。以上のことから全体の難易度はさらに上昇したといえます。大問三でも慣用句の使用法の誤りを指摘する問題が出題されています。単純に言葉を覚えるのではなく、用法を覚える、つまり、例文などを参考にしながら覚えることが大切です。漢字やことわざは決して難易度の高いものではなく、普段の学習の積み重ねが大切です。きちんとした対策を継続してください。

2022年注目問題


単純に慣用句を覚えていませんか?「走馬灯」「鬼」「首」「まな板」「鯉」などは空欄補充になりやすいですし、暗記用の参考書などではこの部分の穴埋めを覚えて終わりということになりかねないです。しかし、このように文章で出されたときに正しい意味なのか分かっているでしょうか?勉強するときに自分で例文を作るなどの工夫が必要です。 早稲田佐賀中学校では今年度から思考力入試が始まりました。その問題もそうですし、2022年国語の問題でも大問一・二の最後の問など「思考力」「表現力」「判断力」が必要な問題が出題されています。あえて、慣用句の問題を注目の一題としましたが、入学試験の時だけでなく、普段から暗記だけの勉強をしないでほしいという学校のメッセージだと感じました。

過去10年の単元別出題傾向

算数

2023年度入試分析

制限時間60分・配点100点・大問5題・小問22題と,問題数はほぼ例年通りでした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題・Bは標準問題・Cは応用問題です。全体を通して比較的解きやすい基本レベルから標準レベルの問題が多く,バランスよく出題されています。応用問題は情報処理能力及び表現力が求められる問題が出題されていました。問題数が多いため,時間配分に注意が必要です。

まず1は,一行問題が11題。中には,問題文を丁寧に読まないと,間違えてしまう問題が含まれているため要注意です。範囲の偏りはなく,色々な分野が出題されるので,すべての範囲に対応できるよう,準備しておきましょう。もちろん,全問正解が必須です。
2は、資料・会話文を読み整理する問題です。(2)に考え方を書く記述問題があるので,日頃から途中式や考え方を書く習慣を身につけておきましょう。
3は速さのニュートン算の問題。文章を読み情報を整理,処理することが求められています。
4は平面図形の辺の長さと面積比の問題。 (2)(3)は比の知識をフル活用して得点しておきたい問題。
5は立体図形の展開図の問題。4、5は毎年似たような問題が出題されています。日頃から図形問題は丁寧に解き,必ず正解にたどり着く訓練をしておくと効果的です。

2023年注目問題

2の数の性質の問題です。

文章から情報・条件整理をして,表現することが必要です。
例年,同様の問題が出題されているため今後も出題の中心となる可能性が高く対策は必須です。 解答に辿り着くには,文章の読解力はもちろん基本的な計算から,基礎を応用する力が求められています。

過去10年の単元別出題傾向


大問1は小問集合で,計算問題や各単元の基本・標準問題から出題されています。例年,割合やデータの活用などの問題は比較的難易度が高い問題が出題されているので,しっかり得点源にできるよう,各単元における例題と基本問題はしっかり覚えておくことが必要です。また,早稲田佐賀中学校を受験する方であれば,多くの生徒が解ける問題ばかりのため,ケアレスミスにて得点を落とさないように注意も必要になります。
大問2は思考・判断・表現力を問う問題の出題が目立ちます。 道筋を立てて考える・物事を多面的にとらえる・深く考える等の力が求められるため,日頃から式を書く・文章で説明をする等の練習を積み重ねるようにしましょう。 大問3は特殊算の文章問題が出題されています。 基本的に設問(1)は(2)・(3)の考え方の誘導になることが多いです。そのため,比較的易しい問題のため,苦手な単元からの出題でも(1)についてはしっかり解き得点を重ねられるようにすることが重要です。
大問4は平面図形になります。三角形の相似を利用した問題や,扇形を使う問題等が頻出されています。図形を重ねた部分の面積を求める求積問題などは難易度が高いため,過去問や他の上位難関校の過去問等を解いて対策をすることが重要になります。
大問5については,例年立体図形からの出題で体積や容積を求める問題が出題されます。いくつかの立体を重ねた問題等,慣れていないと立体の形がイメージ出来ない図形になりますので,多くの問題に触れ,立体図形の問題に慣れることがポイントです。
最近は問題文が長めの条件整理・思考問題が増えているので早稲田系の過去問を使って問題演習を行うと効果的です。

合格のために

どの問題を解き,どの問題は解けなくてもよいのかを見極めるための取捨選択は必要不可欠です。この段階にいきなり到達するには容易ではないので相当の実力が必要です。実力を着実につけていくために以下の5つを意識して受験対策をしていきましょう。
  1. 毎日の計算練習で,計算力を身につける。
  2. 基礎を早目にマスターする。
  3. ランダムな問題集で,実戦力を身につける。
  4. 図形は相似の問題を中心に平面・立体ともに丁寧に練習する。
  5. 早稲田系の問題を使って条件整理をしてじっくり考える問題演習を行う。
  6. 日頃から各問題の計算法や解き方を,明快に分かるように意識してノートに書き記す。

社会

2023年度入試分析

2023年度入試では、昨年度と同様に大問数3題、小問数は39題でした。また、2023年度入試も字数指定の記述問題が出題されず、その代わりに正誤問題が例年よりも3題多く出題されていましたが、どれも基本レベルの難易度ですので、落ち着いて解けば問題はありません。以上のことから、多くの受験生が制限時間に焦ることなく、余裕を持って試験に臨むことができた問題であったと考えられます。問題の難易度は基本レベルの問題ですので、多くの受験生が解けたのではないでしょうか。そして、2023年度入試でも「地形図の読み取り」問題が3年連続で出題されました。難易度は基本レベルの問題ですので、多くの受験生が解けたのではないでしょうか。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。早稲田佐賀合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

早稲田佐賀中学校の地理は、各都道府県情報から読み取れることを答えさせる問題が特徴としてあります。しかも毎年必ず表にまとめて出題されますので、それなりの対策が必要になります。2023年度入試の1では、「重複している都道府県名」を題材とした地理の問題が出題されました。

2023年注目問題


早稲田佐賀中学校は、試験時間が40分あり、他の中学校よりも試験時間は長いです。また、解答数も多いので、上記のような問題に多くの時間を費やすと、たちまち試験は終わってしまいます。このような問題に直面した場合、一覧としてまとめた表に書かれている情報・共通する内容を瞬時に見つけましょう。イメージは、クイズを解くような感じです。ちなみに問13の答えは、「Ⅰ・Ⅴのイ」となります。そして、問15の答えが「大」となります。この問題に時間が掛かるのであれば、自分が解ける問題にうつりましょう。時間の使い方が試される上で、非常によい問題です。また、上記でも記載した通り、2023年度入試でも地形図の読み取り問題」が出題されました。地形図の読み取りは、早稲田系列の中学校では稀なケースですが、3年連続で出題されていますので、地形図の読み取りが苦手な方は早期に対策をする必要があります。
2は「気になったニュース」を題材とした公民問題が出題されました。問題の多くは、正誤問題ですが、上記でも記載した通り、難易度は、基本~標準レベルの問題ですので、確実に正解しておく必要があります。また、2022年の時事問題も扱われていますので、普段の生活からニュースを見る、読む習慣を身につけておきましょう。
3は各時代の「政治」に関する歴史問題が出題されました。問題数は16問と多いですが、どの問題も基本問題・標準問題レベルですので、高得点が取れたと思われます。

過去10年の単元別出題傾向


早稲田佐賀中学校の歴史は、ほぼ全ての単元から満遍なく出題されています。よって、歴史で躓くと点数が取れないということになります。歴史が苦手な場合は、早期に対策をする必要があります。また、早稲田佐賀中学校では、資料や史料から正しく述べている選択肢を答えさせる問題が出題されます。このような問題は、2023度入試も含めて5年連続で出題されていますので、文章・データの読解力も養う必要があります。

合格のために

早稲田佐賀合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。2021年度入試でも出題されませんでしたが、早稲田佐賀の入試問題では、記述問題が大問毎に出題されます。普段の学習から一つの社会用語(人名・地名・出来事など)から沢山のキーワードを導き出す訓練(点と点から一つの線にする訓練)をする必要があります。また、早稲田佐賀中学校の特徴である「九州地方に関係する地理・歴史の問題」・「表から読み取れる問題」も出題されますので、普段の学習から取り組むことをお勧めします。

理科

2023年度入試分析

今年度は大問数4,小問数29,解答箇所35で,昨年とほぼ同数の問題数となりました。解答形式は,選択問題,用語記入,計算問題がバランスよく配置されています。今年度は, 昨年度同様, 記述問題の出題はありませんでしたが, 速さや密度, 体積などを求める少し複雑な計算問題が複数出題されました。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題,Bは標準問題,Cは応用問題をそれぞれ示します。

大問1は「地震」をテーマにした問題でした。震度や地震関連災害についての知識問題と,P波・S波の関係から速さや時間を求める計算問題で構成されていましたが,後者については得手不得手が分かれる問題でした。
大問2は「植物と花」からの出題でした。花の開花時期を軸に,各植物の特徴や性質などが問われ,後半は光合成についての知識が問われましたが,いずれも標準的な問題で構成されていたので,得点源としたい大問でした。
大問3は「密度と圧力」からの出題でした。設問の殆どが計算問題で構成されていたため,「難しそうだなぁ」と感じた受験者も多かったかもしれませんが,ヒントとして各問単位(密度やパスカルなど)が記載されていたので,この誘導に気づけるかがポイントでした。そして,この大問の出来が合否を分けたように思います。
大問4は「物質の変化」からの出題でした。こちらは大問3と比べて知識問題の割合が多く,状態変化や気体の性質などが選択形式の形で問われました。

2023年注目問題


問5~7で行った計算方法を利用すれば,解答まで辿り着ける問題でしたが,各物体の体積と重さから密度を求め, 更に圧力の計算を行うという, ステップが複数ある問題でした。計算自体は個別に見ればそこまで難しくはありませんが, 設問の長さや条件の吸出しなど, マルチタスクを要求される問題でもあったため, 苦戦した受験生が多くいたと予想されます。

過去10年の単元別出題傾向


全分野もれなく基本知識を学習しておくことが必要です。具体的な学習方法としては, 一問一答形式の問題集を2~3周して, 知識の定着を行い, その後に, 図表やグラフの読み取り問題, 化学・物理分野の計算問題と, 演習を進めていきましょう。

合格のために

これまで見てきた通り、早稲田佐賀中学校の合格を勝ち取るためには、
  1. 基本的な知識を確実にすること。
  2. 不得意な分野をなくすこと。
  3. 物理や化学を中心として計算問題を十分に練習すること。
  4. 計算問題への対応には、複数の内容を整理し理解する力、表やグラフを読み取る力を身に付けることが必要です。特に計算問題においては、この学校に向けた十分な対策をしておかなければなりません。
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